無力化したキャッチコピーではお客様は来ない!?

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あなたは自分の売るモノに「こだわり」を持っているでしょうか?

飲食店などのサービス業などでは、「こだわり」という言葉をキャッチコピーとして、とても多く使います。

しかし、そもそも自分の売るモノにこだわりを持たない方がめずらしいのではないでしょうか?

「こだわり」を声を出して言うか言わないかは別として、経営者なら誰でも持っているものです。

経営者が「こだわり」をよく使うのは、そうすると売れると思うからでしょう。

しかし、このよく聞く「こだわり」のような言葉は、本当に売れるようになる“魔法の言葉”なのでしょうか?

 

「こだわり」だけで、お客様は選んでくれない!?

「こだわり」や「おもてなし」などのような言葉は、売るための「マジックワード」となっています。

テレビや雑誌などでも、たとえば「こだわりのオムライス」、「おもてなしの宿」といった言葉をよく目にしたり、聞いたりします。

これらの言葉は“一発でお客様にお店などのイメージが伝わる”ので、便利に使われるのでしょう。

しかし、「こだわり」といった言葉で、本当に“売るモノのよさ”をお客様へ明確に伝えることができているのでしょうか?

 

そもそも、あなたが最初に「こだわり」という言葉をビジネスで使ったと考えてみましょう。

元々、この言葉自体は「そんな些細なことにこだわって、小さい人間だな」のような、ネガティブな意味で使われていたそうですね。

今までネガティブな意味で使われた「こだわり」をビジネスに使えば、新鮮に、珍しく聞こえたことでしょう。

あなたが経営する「こだわり」の店に訪れたお客様はきっとこう言うはずです。

「つまらない、些細なことに、こだわっているというのはこの店ですか?変なお店ですね」

そこで、あなたはお店の「こだわり」について、具体的に何に“こだわっている”のか説明するわけです。

たとえば、あなたのお店がそば屋であれば、

  • 出汁にこだわっている
  • なぜ、出汁にこだわっているのか?
  • こだわりの出汁のために、素材の原産地や選び方、また作り方に工夫をこらしている

など、などいろいろお客様に説明するでしょう。

こういった様々なストーリーを語ることで、一定のお客様は「(ポジティブな意味で)こだわってるねー。また来るよ」となるのでしょう。

そして、その「こだわり」が口コミによるのか、チラシなどの宣伝によるのかわかりませんが、大きく広がって商売が繁盛するというわけです。

 

しかしそうなると、売れるマジックワードと化した「こだわり」を利用しようとする人が多く出てきます。

そして、町は「こだわり」のお店だらけとなります。

「昨日は、このこだわりのそば屋にいったから、今日はとなりのこだわりのそば屋に行くかな?」となり、お客様はもはやその言葉でお店を選ぶことができません。

もし、あなたの“こだわり”が売れないのなら、理由はこういったことに原因があるのかもしれません。

そう、元々は実態があったのです・・・

そば屋の例でお話ししたように、間違いなく最初は「こだわり」に深いストーリーがあったのです(「出汁にこだわる」のように)。

しかし、ひとたび「こだわり」が“魔法の言葉”になると、伝えるべきストーリーが希薄であるにもかかわらず、これを利用しようとする人が必ず出てきます。

もちろん、そういった行為を否定することはできません。

なぜなら、こういった行為を否定すると、売るために商品のネーミングを変えることすら私たち経営者はできなくなるからです。

参考 ➡ 価格を安くする他にも商品を売る方法はまだある!?

ここで問題にすべきことは、無力化したマジックワードを思考停止し、後生大事に使い続けることなのです。

無力化したキャッチコピーを捨てろ!

「こだわり」を前提に“コトバの力”で売るためには、原点に返って、語るべきストーリーを深くするという方法が考えられます。

しかし、これだけ「こだわり」が氾濫してくると、それを謳うだけでお客様に敬遠されることは十分にあり得ます。

たとえ「こだわり」の背後に語るべき深いストーリーがあったとしても、ファーストインプレッションでアウトです。

ただし、あなたが深堀りした「自分の売りモノに対するこだわりのストーリー」は必ずビジネスに役立ちますのでやっておいた方がいいでしょう。

 

となると、無力化したのとは違うキャッチコピーを生み出すなどの、新しい“コトバの力”で勝負することになります。

余談ですが、お客様と「こだわり」という言葉を使ったままで、無力化したこの言葉を蘇らせることができるかどうかについて、雑談したことがあります(それで販売活動したわけではないので、あくまで遊びです)。

そのなかで、「まったく“こだわりのない店」というアイデアとして出てきましたが面白いと感じました。

 

キャッチコピーの役割がお客様に気付いてもらい、その先の行動をとってもらうことにあるなら(たとえば、続きを読んでもらうとか、店に入ってもらうとか)、“こだわりがない”というのは「???」と思わせることができそうです。

「こだわり」が氾濫しているので「こだわらない」店は興味を惹きそうだと思いませんか?

たとえば、ダイエットのために運動するのが常識とされるなかで、「飲むだけで痩せる」なんて言われれば、興味を惹くことは実際の広告を見れば分かります。

まぁ、この余談のように無力化した「こだわり」に縛られる必要はありません。

むしろ、新しいキャッチコピーを考えるほうがいいでしょう。

誰でも練習次第でキャッチコピーは作ることができるのですから。

そして、あなたが新たに考え出したキャッチコピーは、その背後に深いストーリーがあればより強力になるでしょう。

なお、コピーについてはいずれ「あきんどう」でも記事にしたいと考えています。

まとめ

「こだわり」のような無力化したコトバだけを使ってもお客様の心に刺さることはありません。

「こだわり」の背後にストーリーがあるならばまだしも、このコトバ自体が“魔法の力”を発揮することはないでしょう。

であるならば、あなたのビジネスのキャッチコピーを新たに作り出すことが必要なのではないでしょうか?

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