手元流動性比率!手元資金は安全水準か?

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もし、あなたの会社の売上がゼロになったら、どれくらいの期間持ちこたえることができるでしょうか?

 

この問いに答える経営指標に手元流動性比率というものがあります。

 

この記事を読むことで、手元流動性の

  1. 計算式
  2. 意味
  3. 目安
  4. 改善する方法

を理解することができます。

1.手元流動性比率の計算式

手元流動性比率は次のように計算します。

分子の有価証券は、短期間の価格変動により利益を得る目的で相当程度の反復的な購入と売却が行われる、法人税法の規定にある売買目的有価証券をいいます。

 

また、期末日後1年以内に満期の到来する社債や国債も分子の有価証券です。

 

この有価証券は時価で評価します。

 

ただし、中小企業では有価証券を保有していたとしても少額でしょうし、そもそも持っていない企業も多いでしょう。

ですので、分子の有価証券は無視しても構いません。

 

分母は損益計算書の売上高を12カ月で割った数値、つまり月商です。

2.手元流動性比率の意味

手持ちの現預金や有価証券と1カ月の売上高(月商)の比率であり、資金の安全性を見る指標です。

 

現金預金やすぐに換金可能な有価証券が売上高の何カ月分あるかを示します。

 

つまり、手元流動性比率は、仮に売上高がゼロになっても、資金的に何カ月持ちこたえることができるのかを示しています。

 

なお、当座比率が良ければ、手元流動性比率も良くなる傾向があります。

3.手元流動性比率の目安

手元流動性比率が大きいほど資金的には安全です。

しかし、経営において現金預金は資金が寝ている状態です。

なぜなら、経営は、営業活動で獲得した現金預金を再投資し、さらなる利益を生み出すことを目的とするからです。

 

したがって、現預金を多く持つことが必ずしも良いわけではありません。

 

とはいえ、経営環境に影響を受けやすい中小企業は資金的に余裕がないと、不測の事態が起こると破綻のリスクが大きくなります。

 

一概に手元流動性比率の目安を示すことはできませんので、企業規模、業種、自社の方針により目安を定めるといいでしょう。

 

また、手元流動性比率は同業他社や業界平均だけを気にするのではなく、自社の推移を注意深く見て、過去の実績と比較することも重要です。

 

参考までに、業種別の手元流動性比率を挙げておきます。

なお、下記の手元流動性比率は中小企業実態基本調査(平成30年確報)を利用して、執筆者が算定したものです。

当該比率は、中小企業のうち、法人企業(個人企業は除く)のデータです。

情報通信業、不動産・物品賃貸業、専門・技術サービス業を除く業種は、手元流動性比率が3カ月未満です。

卸売業、小売業、宿泊・飲食サービスは2カ月未満ですが、これは獲得した資金をすぐに再投資するという業種の特性があるからでしょう。

 

とはいえ、不測の事態が生じると、2カ月で資金が枯渇するということですので、もっと手元資金を持っていてもいいのかもしれません。

 

なお、手元流動性比率が10カ月を超える上場会社は少なくありません(たとえば、任天堂)。

4.手元流動性比率の改善法

計算式から手元流動性比率の改善法を示すことはできません。

 

手元流動性比率を高めるためには、無駄をなくし、地道に現金を蓄えるしかありません。

無駄だからといって、やみくもに費用を削減しても手元流動性比率が改善しない(一時的に良くなったとしても)可能性があるので注意が必要です。

 

なぜなら、古い設備では生産性が低いですし、従業員のモチベーションが低下し、より多くの売上を得ることができないからです。

 

ですので、お金を使うときは、一律に無駄と思わずに、その投資が売上、ひいては現預金の獲得に貢献するのかを合理的に判断しなければなりません。

 

手元流動性比率は簡単に計算できる経営指標ですが、入口(売上)と出口(現金預金)に係る経営の本質を示す重要な指標だと思います。

まとめ

手元流動性比率は簡単に計算でき、あなたの手元資金の安全度を示す指標です。

端的に言うと、売上がゼロになってしまった場合、経営が立ち行かなくなる期限を示します。

 

中小企業を取り巻く環境は今後ますます不透明になっていくでしょう。

そんな時に頼りになるのは、手元資金です。

 

中小企業は、手元流動性比率の推移に注意して経営するといいでしょう。

 

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