フローチャートの書き方!業務プロセスを「見える化」する技術

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あなたは自分のしている業務を言葉で説明できるでしょうか?

当たり前のように仕事をしているため、言葉での説明は上手くできないかもしれません。

業務プロセスをシンプルに記述する方法にフローチャートがあります。

 

この記事を読むことで、フローチャートについて次のことがわかります。

  • 業務プロセスを図式化する意味
  • 業務プロセスを図式化する方法

フローチャートがあれば、ビジネスであなたが人を雇うようになったときに、人材育成が容易になります。

また、業務プロセスの改善点を発見し、最適化できるので、あなたのビジネスのパフォーマンスは向上するでしょう。

もちろん、起業したばかりの方だけでなく、起業して数年経過しているような経営者の方にも役立つ情報です。

1.フローチャートで「見える化」する意味

あなたは「現実に仕事がスムーズにできているのだから別に作る必要はない」のではと思うかもしれません。

しかし、今の業務フローはあなたが思うほど良くないかもしれません。

 

品質管理で有名なエドワード・デミングは、

  • 自分の仕事をしていれば大丈夫だと考えるのは誤りである。そのシステム自体が間違っている可能性があるからだ
  • 失敗の理由の85%はシステムとプロセスの不備で起こる
  • 業務プロセスを説明できないなら、あなたは自分が何をしているのかわかっていない

と言っています。

 

失敗の多くは業務プロセスやシステム(コンピュータシステムだけを言っているわけではない、企業としての仕組み全体を言っている)の欠陥で起こるなら、是非とも業務プロセスを把握しなければならないでしょう。

ビジネスで失敗しないためには、業務プロセスをあなた自身が理解していなければ改善などできるわけがないのです。

 

また、ビジネスが成長し人を雇うような時には、フローチャートで「わかりやすく、はっきりと」仕事を依頼することができるので、従業員も不安を感じずにやりがいを感じるでしょう。

2.フローチャートとは?

業務プロセスのフローチャートとは、仕事の流れを記号などでシンプルに表すことで視覚化し、業務プロセスを図式化するスキルです。

3.フローチャートの種類

一口にフローチャートと言っても、多くのものがあります。

例えば、株式公開のときによく使われるフローチャートに「産能大方式」があります。

その他「NOMA式」、「日能式」、「BPMN」などが有名です。

 

「産能大方式」と「BPMN」は記号が多く、その記号を覚えるのが最初は難しいかもしれませんが、一旦覚えてしまえば複雑な業務プロセスであっても、そのほとんどを記号であらわすことができます。

 

「NOMA式」、「日能式」は使用する記号が少なく、記号を覚える負担は少ないですが、プロセスを記号だけで表すことができないため説明文で補う必要があります。

 

業務プロセスの改善や共有など社内での利用を前提としているのであれば、上述した方式にこだわる必要はありません。

目的は業務プロセスの見える化なので無理して難しいフローチャートを作成する必要はないでしょう。

4.フローチャートの作成手順

4-1.業務プロセスを抽出する

業務プロセスは、大きくわければ、たとえば「購買プロセス」、「生産プロセス」、「販売プロセス」などのことです。

 

さらに、「販売プロセス」は「信用調査プロセス」、「受注プロセス」、「出荷プロセス」など細かく分けることができます。

なお、細かい区分をプロセスとするのが紛らわしいと感じるなら「ステップ」、「フェーズ」などを用いてもいいでしょう。

 

業務プロセスは「販売プロセス」と大きく捉えるのではなく、その中の小さな塊としての仕事に分類すると記述するのが簡単になります。

 

なお、最初は無理をして全業務のフローチャートを作る必要はありません。

まずは購買、生産、販売などのライン業務について作り、余力があれば人事など他の業務に手を広げていくといいでしょう。

4-2.業務プロセス内の作業(仕事)を言葉で記述する。

業務プロセスをフローチャートにする場合、いきなり描く人がいますが、おそらく失敗します。

まず、「言葉」であなたの業務プロセス内の仕事を記述しましょう。

 

業務プロセスは時間的な仕事の流れに沿って記述していきます。

そして、記述のポイントは次の4つです。

  1. その仕事をするのは誰か営業担当者が顧客から注文を受ける)
  2. 何をするのか(営業担当者が顧客から注文をメールで受ける
  3. どのような方法か(営業担当者が顧客から注文をメールで受ける)
  4. いつまでにするか

 

なお、一人で仕事をしているのだから、「誰が」といっても常に「自分」という経営者もいるでしょう。

しかし、ここで言う「誰か」とは担当者、担当部門のことです。

たとえ一人であっても、「営業担当者」としての自分、「営業管理担当」の自分といったように役割でわけられるはずです。

このような役割分担を意識して仕事をしていないと、人を雇うときに何をしてもらうかが明確でなくなります。

その結果、とりあえず忙しいからと、漠然と人を雇うことになるでしょう。

4-3.フローチャートを実際に描く

フローチャートにはタテ型、ヨコ型がありますが、特に気にする必要はありませんので、自分の好みで描いてください。

 

また、業務改善など社内利用が目的なため、フローチャート各種方式の記号を厳密に適用する必要もないでしょう(もちろん適用しても構いません)。

なるべく、長方形や円などの簡単な記号を使うといいでしょう。

なお、エクセルにはフローチャート用の記号が準備されています(メニュー「挿入」→「図」→「図形」)。

文章型の業務プロセスの記述書があれば後からでも体裁を整えることができます。

要は、描いたフローチャートで業務プロセスを説明できればいいわけなので気楽に作るといいでしょう。

4-4.フローチャートの具体例

「販売プロセス」の「請求書発行ステップ」が以下のように文章で記述できたものとします。

 

  1. 販売担当部署は出荷報告書にもとづき販売管理システムに入力する(随時)。
  2. 販売担当部署は販売管理システムから請求書を出力する(毎月15日)
  3. 販売担当部署でプリントアウトした請求書は販売担当部署の上長の承認をもらう
  4. 販売担当部署で承認後請求書を得意先に送付する

 

この文章での業務プロセスをフローチャートで記述すると、たとえば次のようになります。

記号は4種類しか使っていません。

フローチャート例

 

この事例はシンプルなものですが、フローチャートを描くことはそれほど難しいことではないと感じていただけると思います。

4-5.フローチャートは定期的に見直す

完成したフローチャートは絶対的なものではありません。

なぜなら、組織が大きくなるに従い、業務プロセスは複雑になっていくものだからです。

 

ですので、定期的に、また組織の変更の都度に見直すことが必要です。

まとめ

フローチャートを描くことにより、今の仕事のやり方がベストであるとは限らないことがわかるかもしれません。

 

また、フローチャートを描くことにより、どこを改善すべきか把握できます。

 

品質管理で有名なエドワード・デミングが言うように、「失敗の理由の85%はシステムとプロセスの不備で起こる」のです。

ですから、業務プロセスを把握し、改善に向けて努力することはあなたのビジネスを安定的に成長させていくためには必要です。

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