起業に向けて動いている人は、そのための準備に奔走していることでしょう。
お金のこと、備品や設備などの準備、事務手続き、業界知識の習得など多くのことに時間を取られます。
しかし、この忙しい時間のなかで、あなたはじっくりと起業後について考えているでしょうか?
お客様がいれば、起業後はもっと忙しくなります。
開業までの時間は、実は起業家にとってのゴールデンタイムなのです。
ここで、しっかりと起業後のことを考えているのといないのとでは、スタートダッシュに大きな差が出ます。
成長曲線上をしっかり進む
起業して立ち上げたビジネスは、ベンチャー企業とか、スタートアップとか言われます。
新興企業という括りでは同じですが、スタートアップは短期間に急成長を遂げる企業です。
私は、上昇していくイメージがあるので「スタートアップ」という言い方が好きです。
自分のビジネスをスタートアップと呼ぶ起業家はこだわりがあるように感じます。
彼らは運で急成長を遂げようと考えているわけではなく、新しい市場の開拓とか急成長を遂げるための戦略やビジネスモデルとかを練りに練っています。
だから、普通の起業と一緒にしてほしくないという気持ちもあるのでしょう。
私たち“普通の起業家”もスタートアップ起業家の心構えや戦略性は大いに学ぶべきだと思います。
何もスタートアップのように1、2年で売上10億円を超えるような「“急”成長」しなくてもいいと思いますが、「成長」は私たち普通の起業家のビジネスにも必要です。
ビジネスも人間と同じように、幼児期-少年期―青年期-成人期といったライフサイクルを辿ります。
幼児期から少年期は右肩上がりに上昇していきます。
そして、青年期では上昇のスピードが緩やかになり、成人期に入るとゆっくり衰退していきます。
もちろん、実際はこのような過程を経て成長するとはかぎりません。
むしろ、・・・。
成長しない“ビジネス赤ちゃん”のままでいいのか?
私は、企業のライフサイクルを年商で区分しています。
私の区分では、年商1億円までが「幼児期」です。
「少年期」以降の年商は場合によって変えますが、この「幼児期」の年商1億円は動かしません。
年商1億を区切りとして、組織、人員、戦略など大きく変える必要が出てくるからです(逆を言えば、年商1億円以下でいくら細かく区切ってもあまり重要な意味がない)。
中小企業実態基本調査(中小企業庁)によると、中小企業の82%は売上1億円以下です(法人企業は57%、個人企業は98%)。
つまり、中小企業の多くは、「幼児期」を抜け出せずに、“ビジネス赤ちゃん”のまま一生を終えることが多いのです。
人間と同様、ビジネスも幼児期には手がかかります。
ビジネスが赤ちゃんであるなら、忙しくて当たり前なのです。
この段階で「社長のあなたがいなくても回る仕組み」を作ることなど現実的ではないでしょう。
また、給与の満足できる水準は人それぞれですが、「幼児期」ではあなたが満足する給与水準を得るのは難しいのではないでしょうか?
参考 ➡ 起業すると年収はどのくらいになるのか?
ですから、スタートアップの起業家のように、開業前の期間は起業後を見据えて熟考する必要があるのです。
まとめ
起業するなら、年商1億円の突破を目指していただきたいと思います。
そうでないと、あなたがお金や時間をコントロールするのは難しいでしょう。
そのためには、スタートアップ起業家のように、開業前に戦略やビジネスモデルなどについて熟考しなければなりません。
開業前の事務的な準備手続きなどに心を奪われ、本来考えるべきことをおろそかにしているため、多くの中小企業はビジネス赤ちゃんのままで成長しないのです。
あなたはビジネスを立ち上げた後、低空飛行を続けるつもりですか?