“顧客満足”という言葉はもう当たり前になっています。
顧客満足を掲げないビジネスはもはやないと言っていいでしょう。
しかし、空気のような存在になった言葉こそ注意が必要です。
本当にそれが実行できているだろうか、本当にお客様は満足しているのだろうか・・・ともう一度原点に戻って考える必要があります。
顧客満足は難しい!?
顧客満足は難しいと思いませんか?
確かに、スローガンとして語るだけなら簡単です。
しかし、語るだけでなく、これは実行しなければなりません。
また、実行したからといって、お客様が必ず満足するというものでもありません。
なぜなら、満足したかどうかの判断は、あなたではなくお客様がするからです。
口で言うほど実行するのは・・・
実行するのなんて簡単だという人もいるでしょう。
しかし、私たちは経営者はどんな時もお客様のために行動しているでしょうか?
「ハイパワー・マーケティング(ジェイ・エイブラハム)」という本の中に書かれていた例が印象的でしたのでシェアします。
「ある父子が自転車屋さんに来店しました。この子供にとっては初めての自転車です。
店主は話をしっかり聞いたうえで、値段の高い自転車ではなく練習で傷ついてもいいような安い自転車をその父子に勧めました」
まぁ、顧客満足を標榜するあなたは当たり前だと思うでしょう。
しかし、あなたが店主だとして資金繰りが厳しい時に、同じような行動がとれるでしょうか?
私も顧客満足と言ってはいますが、そのような状況で実行できるかどうか自信が持てません。
誰でも当たり前のように言う顧客満足をいかなる状況でも実行するのは案外難しいものかもしれません。
お客様第一を謳う会社がお客様を裏切るような行為を平気でしたりすることも近頃多い気がします。
しかし、実行することが案外難しい顧客満足を徹底的に実行できた時は、確かに“ハイパワー”を発揮するのだろうなと思います。
お客様が満足したってどうしてわかるの?
満足感というのはお客様の頭の中にある以上、これはお客様に聞くしかありません。
しかし、私たち中小企業者は調査会社に依頼して「顧客満足度調査」をする必要はないでしょう。
「満足感は行動に現れます」
つまり、満足してくれたお客様はリピートしてくれるはずです。
なぜ、リピートしてくれるのか聞いてみるといいでしょう。
また、離れていったお客様にその理由も聞くこともいいでしょう(気おくれしますが)。
あなたのビジネスの弱点と顧客満足を改善する大きなヒントが得られるかもしれません。
大企業と違い、私たちの強みはお客様との距離が近いことです。
億劫がらずに、しっかり調査しましょう。
中には、不動産などの高額商品を扱っている人もいるでしょう。
確かにこういった商品はリピートという行動で判断できないかもしれません。
しかし、あなたが取った集客手段と別の経路、お客様からの紹介で商品を買っているかもしれませんので紹介していただいたお客様に理由を聞くようにしましょう。
たとえば、「なぜ、弊社を選んでいただいたのですか?」というように。
なお、なるべくアンケートなどを利用せずに直接聞きに行くことをお勧めします。
私たちはお客様との距離が近いのですから・・・。
顧客満足と言いながら、アンケートを記入してもらうなどのようにお客様の手を煩わせるのはいかがなものかと思います。
もちろん、アンケートはお客様の満足度を知るための有効な手段でし、業態によってはこれに頼らざる負えないこともあるでしょう。
ですが、アンケートを利用する場合は“タダ”で書いてもらうことがないように注意しましょう。
余談ですが、最後にアンケートについての私が体験したエピソードをお話しします。
私は考え事をする時にコーヒーショップを利用します。
そこは静かで集中して考える空間を提供してくれるからです。
しかし、ある時間になるとアンケート依頼のアナウンスが入り、店員がアンケートを取りにやってきます。
顧客満足を高めるためにしているだろうアンケートが顧客満足を壊しているのはとても面白いと思います。
まとめ
顧客満足といった誰も疑うことができないような言葉は、単なるスローガンで終わってしまうことがよくあります。
“自己満足”にならないためには、常に疑いの目で検証する必要があります。
- 常にお客様のために行動できているのか
- 本当にお客様は満足しているのか
このようなことが習慣化できるようになれば「顧客満足」はあなたのビジネスにとって最大の効果をもたらすでしょう。
2017.10.23更新