売上は相手次第ですから、あなたの意思でできる節電のようなわけにはいきません。
そして中小企業の多くは売上をコントロール不能だと思い込み、対策を取ろうとしません。
「優秀なセールスマンを増やせば、売上を上げることができるはず。だから人を雇い入れよう。」
しかし、人件費だけ増加して、肝心の売上は思ったほどあがりません。
確かに優秀なセールスマンは存在します。
けれども、もしそいういった人を雇い入れることにより簡単に売上アップが図れるなら争奪戦になります。
優秀な人は数が少ないのですから、私たち中小企業に入ってくれる可能性は低いでしょう。
だから、確率的に低いことに期待せずに、社長のあなたがまず優秀なセールスマンになる必要があります。
売上が制御不能であるというのは、思い込みかもしれません・・・。
1.売上はどのように計算されるのか?
1-1 売上は決定するたった3つの要素!?
売上を計算式で表すなら次のようになります。
1-2 式から分かる売上アップの方法!!
つまり、売上をアップさせるためには、
- お客様数を増やす
- お客様一人当たりの購入額を増やす
- リピートしてもらう
の3つだけです。
2.売上全体を見ても増加させることはできない!!
2-1 売上アップは計算式の左辺で考えるな!
私たちの間違いは、売上の式の左辺のみで考えることです。
つまり、「売上アップするためには・・・〇〇をする」といったようにすぐ答えを出そうとすることです。
たとえば、「売上アップのために、営業マンを雇う」とか「売上アップのために、チラシを駅前で配る」とかといったように・・・です。
このように考えている限り有効な打ち手を講じることはできません。
2-2 売上はなぜ減少したのか?
売上が下がったといっても、原因は様々です。
あなたの会社は新規集客が上手くいっていないからかもしれませんし、お客様の購入額自体が減っているからかもしれません。
売上という全体で見る限りは、原因を探れないので、有効な打ち手を取れるわけがないのです。
だから、あなたが売上を制御できないのは当たりまえですし、採用した策が上手くいかないのも当然なのです。
3.売上の増加させるためには分解して考える!?
3-1 売上の3つの要素から減少原因を探れ
もちろん、売上の式の左辺だけで考えていた会社は、最初は原因を探るのすら困難でしょう。
なぜなら、その根拠となるデータがないからです(あなたのビジネスなので推定はできると思いますが)。
しかし、データを集めるのはあなたが率先してやらなければなりません。
外部の人に頼むとしても、その人は基本的にあなたに聞くしかないのですから。
3-2 原因を特定したら具体的な行動へ!!
3つの要素で考えることにより、基本的な原因がわかったとします。
しかし、これで安心していてはダメです(批評家タイプの人は分析だけで満足する人も多い)。
なぜなら、その原因に対して策を講じ、売上を実際にアップさせなければならないからです。
つまり、具体的な行動に結び付くようなレベルまで原因を掘り下げなければならないのです。
たとえば、飲食業で一人当たりの購入金額が減ったとしましょう。
これは、材料の品質を下げたためかもしれません(当然リピートにも影響があるでしょう)。
あるいは、ベテランがやめたことにより、サービスが行き届かなかったり、料理の提供するまでの時間が長くなってしまったためかもしれません(このような場合もリピートに影響が出るでしょう)。
このように、根本原因まで掘り下げると具体的な対策を立てやすくなるのは分かると思います。
4.道筋が分からないから売上が増やせない!?
結局、売上が制御不要と思ってしまうのは、具体的な行動までの道筋を知らないからです。
もちろん、この策を取ったから必ず、売上がアップするとは断言できません(節電のように実行すれば光熱費が必ず下がるというものではない)。
しかしながら、原因と適合しない策を当てずっぽうにとるよりは断然いいわけです。
そもそも、売上アップは最初からうまくいくと考えない方がいいでしょう。
売上に困らない会社は、試行錯誤を重ね、“仕組み”のレベルまで精度を高めてきたのです。
5.まとめ
売上の基本的な減少原因は「お客様数」、「購入金額」、「リピート回数」の3つしかありません。
そしてさらに、この3つの原因を行動に結び付くレベルまで掘り下げていきましょう。
こうすることによって、今まで曖昧模糊として捉えどころのなかった「売上アップのための方法」が見えてきます。