「会計は苦手だ!出来ればあまり係わりたくない!!」
このように考えている中小企業の社長は多いのではないでしょうか?
しかし、会計を知らないで経営するのは、あまりに危険です。
実は、会計には「社長の会計」と「従業員の会計」の2つがあります。
社長であるあなたは「社長の会計」に特化すればいいのです。
「従業員の会計」という段階を踏まなければ、「社長の会計」をマスターできないわけではありません。
そして、「社長の会計」こそ、100%経営に活かすことができるのです。
「従業員の会計」とは?
日常の個々の経理処理、つまり簿記を「従業員の会計」と呼ぶことにしましょう。
簿記がわからないと会計をマスターできないのではと思っていませんか?
会計嫌いになる原因がここにあります。もともと会計好きでない限り、果てしない道のように感じるからです。
しかし、社長は、簿記を完全にマスターする必要はありません。
もちろん、「従業員の会計」は重要です。
誰かが経理処理してくれないと、社長のあなたは会計数字を「鳥の目」で見ることができないからです。
けれども「従業員の会計」というステップを踏まなければ、「社長の会計」に到達できないというわけでは決してありません。
大きな会社の社長でも、簿記を得意にしている人は少ないでしょう。
このことは、経理・財務出身の社長が少ないことからもわかります。
小さな会社の社長は「従業員の会計」をショートカットし、「社長の会計」へスピーディーに移行する必要があります。
「社長の会計」とは!?
それでは、社長のあなたに求められる会計とはなんでしょうか?
これは、会社の会計数字を「鳥の目」、つまり俯瞰して見ることです。
そして、この目的に絞れば、簿記を最初から学ぶ必要はありません。
とはいえ、最低限の知識は必要になりますが、簿記を初めから学習することに比べて、ずっと楽しいはずです。
使える会計スキルを身につければ、難しかった決算書や試算表の重要な部分がさっと目に入ってくるようになります。
そして、数字の裏側にある、あなたのビジネスの強みや弱点がわかり、いわゆる「数字に強く」なることができます。
本来、経理処理して出来上がる決算書の主な目的は、会社の状態を伝えることです。
つまり、決算書は儲かっているか、安定しているか、倒産しないかといった情報を伝えるツールにすぎません。
それはまさに、社長にとっても必要な情報ではないでしょうか。
これまで、会計の本を読まれて、その複雑さや専門用語の多さに挫折した方も多いでしょう。
使える会計に到達する前に挫折してしまうのは、なんとももったいないことです。
挫折することがないように最初から、あなたの目的に適った「社長の会計」、決算書を読み解くスキルをマスターすべきです。
まとめ
時間のない社長が複雑で難しい経理処理について知る必要はありません。
そもそも決算書の主な目的は、会社の状態を他人に知らせることです。
そして、会社の状態を計数的に把握することは、社長であるあなたの目的にも適うはずです。
ですから、決算書の読み方を先にマスターするほうが社長にとっては近道です。
複雑で難解な会計の専門用語を知ることや決算書を作れることが「数字に強い」というのではありません。
決算書からすばやく、重要な情報を広い出し、経営に役立てることを「数字に強い」というのです。
そして、これはそんなに難しいことではないのです。