起業して倒産しないために、失敗事例を研究する!?

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起業を決意した方は将来への高揚感と不安をお持ちでしょう。

起業に向けて自分を鼓舞するために、起業の成功例をネットで調べたり、書籍などを購入して勉強する方も多いと思います。

 

しかし、起業の失敗事例を学ぶことは成功事例を学ぶことより重要です。

 

失敗事例について知ることによって、倒産などの不測の事態を避けることができるようになるからです。

また、失敗に至るような判断ミスについて熟知することにより、そのような判断ミスをしないようになります。

 

なお、当記事はこれから起業する人ばかりでなく、すでに起業して事業を始めている企業家にも役立ちます。

1.失敗事例を知る必要

起業するにあたって、先輩起業家の成功事例などを研究する人は多いでしょう。

逆に失敗事例を学ぶ人は驚くほど少ないのではないでしょうか?

 

起業する時にネガティブな情報になるべく触れたくないというのもあるかもしれません。

 

また、失敗事例は成功事例のように表に出てこないということもあるでしょう。

成功談はこちらが聞かなくても人に話したくなるものですが、失敗談はなるべく隠しておきたいものだからです。

 

しかし、失敗事例を学ぶことは、成功事例を学ぶ以上に起業の成功に貢献します。

 

実際、「なぜ倒産 23社の破綻に学ぶ失敗の法則(日経PB社)」という本の中に、

 

『成功事例を知ることはもちろん知ることは大切ですが、そのやり方を自社に取り入れても、成功するとは限りません。成功事例は、再現性が低いものです。なぜなら、成功はいろいろな組み合わせだからです。ー中略ー重要なのは、成功事例をそのままコピーするのではなく、自社の状況に合った形にチューニングすること。対して、失敗事例は再現性が高い。「こうした問題で、こんな判断をしたから会社が傾いた」という情報は自社にそのまま置き換えても(実際に自ら検証する人はいませんが)、おそらく高い確率で当てはまります』

 

と書かれていますが、私もこの意見には賛成です。

 

この書籍を参考に、これから起業しようとする方が留意すべき3つの失敗法則を紹介しましょう。

2.起業家が注意すべき失敗の定石とは?

2-1.経営を安定成長させることを優先しない!

書籍では「破綻の定石1:脚光を浴びるも、内実が伴わない」という定石名が付けられています。

 

あなたの選択したビジネスは大当たりして急成長するかもしれません。

 

そして、ビジネスを急成長させると、経済界などから注目されることが多いものです。

そうなると、もう少し注目されたいとか、これで限界かと思われたくないため、内実の伴わない無理な経営に走ってしまう傾向があるものです。

 

しかし、急成長することばかりに気を取られて、経営の土台を固めていないビジネスは案外もろいものです。

 

なぜなら、急成長すると「ヒト、カネ」がビジネスの成長に追いつかないことが多いからです。

 

実際、書籍で紹介されている格安ピザ店を経営する遠藤商事という会社は「ヒト、カネ」の面でつまずき倒産します。

 

ビジネスを支えるヒトやカネを成長に合わせて迅速に確保することは、あなたが思う以上に難しいことをこの事例は教えてくれます。

事業成功の鍵は、無理な成長を志向せず、足元を固めつつ安定的に成長することなのです。

2-2.ヒットした商品を過信しない

書籍では「幸運なヒットが、災いを呼ぶ」という定石名で紹介されています。

 

ヒット商品が出ると、ビジネスが急成長する可能性が高くなります。

紹介されているヒラカワコーポレーションという会社はヒット商品により、前期に比べて2倍の売上になっています。

 

しかし、これは戦略により生み出したヒット商品というより、たまたまブームに乗ってヒットしたと考えた方がいいように思います。

 

ヒラカワコーポレーションはヒット商品に気を良くして、本社などの購入のため多額の設備投資を行いました。

 

しかし、ほどなくしてブームが終わると、ヒット商品の需要は急速にしぼんでいきます。

 

結果、当社は設備投資のために実行した借入金の負担が経営を圧迫し、倒産に至ります。

 

この事例は、たまたまブームに乗ったラッキーなヒット商品なのかを、経営者が冷徹に判断することの重要性を教えてくれます。

 

また、たとえ経営者の綿密な戦略によるヒット商品であったしても、それが永遠に続くことはまれです。

だから、見栄を張るための投資などせずに身の丈に合った経営をすることの大切さもこの事例は教えてくれます。

2-3.1社だけに依存しない!

書籍では「1社依存の恐ろしさ」という定石名で紹介されています。

 

起業して取引先が増えることはとてもうれしいものです。

そして、それが大口の相手先であるなら、ビジネスの将来は保証されたようなものだと考えてしまいがちです。

 

現在の先行き不透明な経済環境のなかで、どの企業も輝かしい未来を確信できません。

そのため、今の安定的な取引関係が今後も継続するかどうか分からないのです。

取引先の経営の悪化により、あなたとの取引が見直されてしまうかもしれません。

 

書籍では、複写機大手の1次下請けとしてユニット組立などを受注し成長してきたイイダという会社の事例が出ています。

この会社は取引先の方針転換で売上が大幅に減少し倒産に至ります。

 

長年の取引による信頼関係があっても、環境変化によって容易に取引先関係が見直されてしまうことをこの事例は教えてくれます。

 

今の安定に胡坐をかいて変化に自ら対応しいかなければ、イイダのようにすぐに危機的な状況に陥ってしまうのです。

ですから、大口の取引先1社に依存することなく、取引先をより多く開拓し、不測のリスクに備えることが重要です。

3.まとめ

起業するにあたって、倒産なのどの最悪の自体を避けるために、失敗事例を研究することはとても重要です。

 

なぜなら、失敗事例は「再現性」が高いからです。

 

つまり、会社を倒産させてしまった社長と同じような判断をしてしまうと、同じような目に遭う可能性が高いのです。

 

失敗事例はあまり世に出てきませんので、当記事で紹介した書籍「なぜ、倒産 23社の破綻に学ぶ失敗の法則」(日経PB社)、あるいは、「あの会社はこうして潰れた」(日経経済新聞出版社)を読まれ、研究することをお勧めします。

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