売上を増やしたいなら、真の顧客ニーズを理解せよ!

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顧客のことは、知っているつもりでもよく分かっていないものです。

顧客が商品を買っていくという表面上だけを観察しても、「なぜ」買うのかが見えてきません。

 

この「なぜ」を“あなたの商品が欲しいから”と単純に考えている限り、売上アップは望めません。

売上をアップさせたいなら、顧客のニーズをしっかり理解する必要があります。

 

顧客はあなたの商品を買っていない?

顧客はあなたから何を買っているのでしょうか?

「商品に決まっているじゃないか!」とあなたは思うでしょう。

しかし、本当はあなたの商品自体を買っているわけではないのです。

 

あなたは、次のような言葉を聞いたことがあるかもしれません。

  • 「人はドリルが欲しいのではない、穴が欲しいのだ」(T・レビット)
  • 「企業が売っていると考えているものを顧客が買っていることはまれである」(P・ドラッガー)

 

これらの言葉は商品そのものを顧客は買っているのではないということを言っています。

しかし、商品自体を買っていないなら、顧客はなぜ買っているのでしょうか?

顧客が買っているのは“ベネフィット”だ!!

顧客は商品自体に「ニーズ」があるわけではありません。

その商品を利用することによって、特定の目的を達成したいから買っているのです。

つまり、顧客は真のニーズ(目的)を叶えるために、その手段として商品を買っています。

 

この真のニーズはベネフィットと言います。

そして、ベネフィットは商品を利用することにより顧客が得られるメリットです。

 

ドリルの例で言えば、「“おあつらえ向きの穴”を開けたい(真のニーズ=ベネフィット)」を買っているということです。

この期待に応えることができないなら、“穴をあける”ことが出来てもドリルを買ってはくれません。

 

“おあつらえ向きの穴が欲しい”顧客は、DIYで書庫(スチール)を作るために直径15ミリの穴が欲しいのかもしれません。

売っているドリルが10ミリまでの穴しか対応していないなら、あるいは、スチールに穴をあけることができないなら、あなたの店ではなく、駅の反対側の店でドリルを買うでしょう。

ニーズをさらに深堀するとある感情に行きつく!?

ドリルを買う顧客は“おあつらえ向きの穴”を求めています。

しかし、「なぜ、穴が欲しい」のかといった理由は人それぞれです。

たとえば、ある顧客は次のような理由でドリルが欲しいのかもしれません。

①「この間の地震で家具がグラグラ揺れたなぁ」⇒②「家具を固定しよう」⇒③「そのためには、壁に穴をあける必要があるなぁ」⇒④「そうだ、ドリルを買いに行こう」

 

さらに、③「おあつらえ向きの“穴”」というベネフィットを“なぜ穴が欲しい”のかという観点で掘り下げ考えると、ある感情に行きつきます。

つまり、耐震のための穴が欲しいお客様の心の底には、「大きな地震で家具が吹っ飛び、家族が大けがをするという嫌なことを避けたい」という思いがあるからかもしれないということです。

 

このように、「嫌なことを避けたい」という感情面での顧客のニーズを「情緒的ベネフィット」といいます。

一方、「穴をあける」というドリルの機能から生じるベネフィットを「機能的ベネフィット」といいます。

 

なお、この情緒的ベネフィットは究極的には、

  • 楽しいことを得たい
  • 嫌なことを避けたい

の2つだけです。

そしてこの2つは裏表の関係ですので、「嫌なことを避けたい」というのは、「楽しいことを得たい」で言い換えることができます(もちろん、その逆も)。

 

この情緒的ベネフィットまで掘り下げて考えると、顧客の心に寄り添ったきめ細やかな対応ができるため“売り方”が大きく変わります。

ベネフィットを深く考えることがあなたにとって重要なワケ!

「そんな面倒なことを考えて何の役に立つんだ!!」と、まだあなたは思うかもしれません。

 

こんな例で考えてみましょう。

あなたは駅前で工具店を経営しているとします。

駅の反対側には大型のDIY店があります。

このDIY店は、家具を固定するための「突っ張り棒」も売っています(耐震で家具を固定したいなら突っ張り棒でもいいわけです)

 

あなたのお店にやって来たお客様は、耐震のための“穴”が欲しいと思っています。

このお客様の「おあつらえ向きの穴」をあけることができるドリルの値段はどちらの店も同じです。

 

そして、あなたは、お客様との会話(コミュニケーション)を通じて、ベネフィットを深く理解しています。

このお客様は大地震によって家族が傷つくことが嫌なのだということを・・・。

仮にDIY店の店主も同様にお客様のベネフィットを理解していたとすると、あなたに勝ち目はまったくないのでしょうか?

 

あなたならどう売るでしょうか?

 

確かに、このような状況下で2つの選択肢(ドリルと突っ張り棒)があるDIY店が有利だと考えるのが普通です。

しかし、あなたがお客様に次のようなアドバイスをしたらどうでしょう。

「もちろん、突っ張り棒でも役立つでしょう。しかし、家というのはきしむものです。つまり、時間が経つ突っ張り棒は緩んでしまうこともあります。そんなときに大きな地震が来たら・・・。しかし、穴をあけて家具を壁に固定した場合はそのようなことはありません。ちょっと手間はかかりますが・・・。」

一方、DIY店がドリルと突っ張り棒という選択肢を示すだけで、「家族が地震で大けがをするのが嫌だと思っている」お客様にとって本当は“どちらが望ましい”のかをアドバイスしていないとしたらどうでしょう。

 

あなたなら、どちらの店でドリルを買うでしょうか?

 まとめ

マーケティング世界での登場人物であり、主役である「顧客」について今回は考えてみました。

関連記事 ➡ 顧客、自社、競合の3つで、マーケティングの基本を理解する方法

顧客を理解するうえで重要なことは商品そのものを買っているわけではないということです。

それでは何を買っているかというと「ベネフィット」(真の顧客ニーズ)です。

特にモノ自体があふれ、特段必要性を感じない日本のような成熟した経済社会では「ベネフィット」を考えて販売しなければ売ることが難しくなります。

逆を言えば、ベネフィットを深く理解すれば、競合より有利に販売することができるということです。

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