新融資基準の事業性評価に対してどのような対策をすればいいのか?

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金融機関は、あなたの会社の決算書内容や担保・保証で融資するかどうか判断します。

詳しくはコチラ➡ 銀行が信用格付で使う財務分析を利用して会社を強くする!

しかし、このような判断方法から、新しい融資の判断方法に流れが大きく変わると言われています。

それは「事業性評価」というものです。

事業性評価とは、決算内容や担保・保証などに過度に依存することなく、事業内容や成長可能性などもしっかり評価して行う融資のことです。

決算内容や担保・保証などで融資を断られたことがある方には朗報かもしれません。

ですが、本当にそうなのでしょうか?

そもそも、なぜ銀行融資の潮目が変わったのか?

簡単に言えば、世の中にお金が回らないからです。

政府が景気回復を狙ってお金をバラまいても(世の中に流通するお金が増えれば景気がよくなります)、銀行でお金が止まってしまうのです。

なぜなら、お金を借りたいという会社がないからです。

「そんなことはない。うちは今すぐにもお金を借りたいのだから・・・」

確かに、中小企業の資金需要は現実には多くあります。

しかし、銀行の眼鏡にかなうような資金需要がないのです。

銀行だって営利企業ですから、貸したお金を返してもらえないようなリスクは負いたくないのです。

しかし、このような状態を放置していたら、いつまでたっても世の中にお金が出ていきません。

 

そこで、監督官庁である金融庁が金融機関に対して

『財務データや担保・保証に必要以上に依存することなく、借り手企業の事業の内容や成長可能性などを適切に評価し融資や助言を行い、企業や産業の成長を支援していく

ということを求めたのです。

 

つまり、眼鏡にかなう融資先がないなら、企業の成長を支援していくような助言やコンサルティングを行い、融資したくなるような企業を銀行が育てなさいというわけです。

 

ざっくり言うと、銀行の融資の姿勢に変化がみられるようになったのはこのような背景があるのです。

しかしまだ、潮の流れ自体は非常に弱いため、事業性評価での融資の恩恵をすぐに受けることはできないでしょう。

なぜ、潮目は変わったのにその流れは強くならないのでしょうか?

 

事業性評価は口で言うほど簡単ではない!?

事業性評価はそれほど簡単ではないからです。

考えて見てください。

もし、簡単に企業の成長可能性などがわかるなら、銀行は株式投資で一儲けしないでしょうか?

あるいは、なぜ簡単にできることなら今までやってこなかったのでしょうか?

これまでの融資の判断でも第2次評価(定性評価)というものがあったのです。

これは、ほぼ事業性評価と同じですが、それでも財務数値の良し悪しが融資判断の大きなウェイトを占めていたのです。

 

もちろん、銀行には優秀な人材がいますから、成長性や技術力などの定性的な情報を定量化し精度の高い評価方法を作り上げるでしょう。

しかし、それは明日ではありません。

そのような評価方法を確立するのはとても時間がかかるものなのです。

なぜなら、多くの融資先企業で検証しながら精度を高めていく必要があるからです。

また、融資を実行するためには実行部隊の教育研修などもしなければなりませんし、新たな人材の確保が必要になるかもしれません。

つまり、ノウハウ、人材、そして組織面から事業性評価は一朝一夕にできるものではないのです。

 

私たちは事業性評価に対してどう対策すればいいのか?

もう一度、金融庁の方針を見てみましょう。

『財務データや担保・保証に必要以上に依存することなく、借り手企業の事業の内容や成長可能性などを適切に評価し融資や助言を行い、企業や産業の成長を支援していく』

財務データや担保・保証に‟必要以上に依存することなく”とあります。

要するに、財務データや担保・保証を事業性評価は完全に捨て去ったわけではないということです。

 

事業性評価という新しい融資判断の方法が現れたからと言って、今までの方法(信用格付)がゴミ箱行きになるわけではありあません。

やはり、事業性評価の精度や銀行の人材・組織面の課題がクリアしない限り、財務データなどによる融資判断はやはり最も使わざるを得ないものだと思います。

財務データによる融資は誰がやっても同じ結果(客観性・公平性が高い)が出ますし、実行までのスピードが早いからです。

 

ですから、銀行は事業性評価の方法がかなりの精度で確立するまで、やはり財務データを用いた融資判断のウェイトを下げるわけにはいかないのです(たとえ、金融庁からのプレッシャーがあっても)。

 

このように考えると、私たち中小企業の経営者が優先してやるべきは、財務の健全化ということになります。

財務状態のボロボロの会社が成長する(明るい未来)とはあなたも思わないはずです。

また、仮に融資のためのコンサルティングや助言を銀行がしてくれたとしても、やはり最初に手を付けるのは会社を財務的に健康体にすることになるでしょう。

 

財務が悪い状態から良い状態へ改善するのはあなたが思う以上に大変ですので、先んじて手を打つ必要があります。

多くの中小企業は銀行にとって財務的に魅力的な貸し手ではなかった、だから銀行でお金が止まっていたことを忘れないことです。

 

財務が健全な状態であって、かつ、あなたのビジネスの成長性などを高めていけば、タイムリーかつ有利に借入をすることができるでしょう。

 

まとめ

人にお金を貸し付けるときに最も考えることはそのお金が返ってくるかどうかであり、これが本質です。

つまり、お金を返さない人、返す可能性が低い人には貸さないということです。

会社の成長性などで融資判断をする事業性評価への流れは中小企業にとって歓迎すべきことのように感じますが、お金を貸すということの本質から考えると、誰でも借入しやすくなると考えるのは早とちりでしょう。

やはり、お金を返してくれる見込みのない人には、銀行は貸したくないわけです。

財務状態がボロボロの会社は、資金的に余裕がないため、そもそも成長していくための打ち手がとれません。

仮に成長性のみで評価したとしても、その結果は明らかでしょう。

 

事業性評価は、財務の健全化を常日頃より意識して努力をしてきた会社には多くの恩恵があると思いますが、そうでない会社は、むしろよりシビアに融資判断されると考えたほうがいいでしょう。

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