お金が出ていくのが怖い・・・。
今月の支払は大丈夫かなぁ?生活費だって必要なのに・・・。
創業当初は、資金も少なく心細いものです。
お金の心配があると、広告宣伝費や交際費などの出費を極力抑えようとします。
もちろん、それは決して悪いことではありません。
しかし、会社は投資して、その投資額以上のお金を回収しなければ成長しません。
節約したって、お金が入ってこなければ、いずれ手元資金は枯渇します。
もちろん、起業家向けの融資制度もあるので、それを利用することもいいでしょう。
けれども、お金が入る予定がないのに、そのお金を返せるのでしょうか?
あなたにまず、必要なのは、投資マインドかもしれません。
広告宣伝費はギャンブルではない!
資産運用のための投資(株式投資など)の話ですが、野村総研の調査では、25%の人が「投資はギャンブルである」と答えたそうです。
創業したばかりの起業家の中にもこのような考え方を持つ方が多いのではないでしょうか?
広告宣伝費について考えてみましょう。
業績が悪くなると、削られる費用の第一候補です。
資金繰りが逼迫してくると「そんなギャンブルみたいなものに大切なお金を投資できない」となりがちです。そうでなくても、中小企業は広告宣伝費にお金をあまり投資したがりません。
しかし、広告宣伝費は売上げを支える必要不可欠な費用です。
これが削減されると、売上がさらに悪くなる可能性もあります。
では、なぜ広告宣伝費のような必要経費にお金を投資できなくなるのでしょうか?
それは、費用対効果が測れない・・・。だから無駄。
つまり、費用対効果が測れないものは、ギャンブルなのです。
しかし、本当にそうでしょうか?
確かに大企業がやるようなTVコマーシャルは効果を測るのは難しいでしょう。
でも、中小企業が行う広告宣伝は効果が測定できることが多いのではないでしょうか。
ただ、意識してやらなかっただけで・・・。
たとえば、チラシを考えて見ましょう。
しっかり、管理すれば効果が測れます。
配った枚数、そのチラシをみて来店していただいたお客様数、そして、購入していただいたお客様数、どれも作戦をしっかり練れば、測定できる数字です(もちろん、金額ベースの把握も可能)。
FAXDM、DM(ダイレクトメール)でも同じです。
今度は、交際費をみてみましょう。
こちらも、削減される費用の候補ですが広告宣伝費より甘めに見ていないでしょうか?
それは、中小企業の場合、紹介による売上の獲得が多いためです。
広告宣伝費を削り、紹介による売上の獲得を目指して支出する交際費を削ったら、どのように売上を上げていくのかという話になってしまいます。
そもそも交際費支出については、効果測定に無関心であることが多いのではないでしょうか。
しかし、この交際費も費用対効果を当然測定できます。
どちらも、費用対効果を測れるにもかかわらず、一方は厳しく評価され、もう一方は甘めに査定される。
本来は、どちらの支出も効果をしっかり測定して決定しなければならないはずです。
しかしこれには、投資に対する考え方、投資マインドをしっかり持つ必要があります。
つまり、「投資しなければ、成長できない」ということを理解し、「費用対効果をしっかり測る」ということです。
「費用対効果を測る」ことは、テクニカルな面なのですぐにできるでしょう。
しかし、「投資しなければ、成長できない」ということは、特に業績が悪化してくると忘れがちになります。
なぜなら、お金が出ていくことに恐怖を感じるからです。
なんでも自分でやってしまう症候群
お金が出ていくことに恐怖を感じ始めると、今度はなんでも自分でやってしまう人が出てきます。
器用なことはうらやましいですが、それでいいのでしょうか?
何から何まで、自分でやってしまうということは、24時間という限られた時間を浪費してしまうことになるからです。
時間を浪費することは、お金を浪費するのと違い、痛みを伴わないため、無関心であることが多いと思います。
しかも、「今日も仕事をよくやった」という感じになりますから充実感があります。
時間を浪費しないために、重要なことは、やはり「投資マインド」を持つことです。
・「投資しなければ、成長できない」、つまり、あなたが使った時間は会社の成長のために必要であったか?
・「費用対効果を測る」、つまり、あなたが使った時間は何かを生み出したか?
この2つをよく考えることです
特に費用対効果については、「節約した」というように考える方もいるかもしれません。
しかし、ここで言うのは、「付加価値」です。つまり、簡単にいえば、売上げのことです。
「付加価値」を生み出さなければ、いずれ「節約したお金」も尽きます。
そう考えると、あなたの仕事の優先度もはっきりしてくるのではないでしょうか?
お金の節約ばかりに目が向いてしまうために、付加価値を生み出さない事務作業まですべて自分でこなしてしまいがちです。
しかし、創業時は時間という大切なリソースの70%ぐらいは、売上を獲得する活動(つまり、マーケティング)に使うべきでしょう。
自分で行う分には、お金が出て行かないため「節約」した気になります。
むしろ、あなたが使ったお金(自分の時給×使った時間)で何も「付加価値」を生み出していないことを重視すべきです。
自分の時給を知り、それ以下で「事務作業」のサービスを受けられるなら、迷わず選択すべきだと思います。
そして、あなたは、本来すべき仕事に集中すればよいと思います。
まとめ
企業は、投資しなければ、成長できません。頭でわかっているもののいざ、業績が悪化してくると、どうしても「節約」思考に走りがちです。
しかし、「節約」は重要ではありますが、それだけでは、いずれ資金が尽きます。
「投資マインド」を持って、勇気を持って投資しましょう。