毎年、経営計画を作るのにとても苦労している。
苦労して作った割には、その達成度はいまいちだ。
計画の未達について悶々としているのに、すぐに来年の経営計画準備をしなければならない。
何のために苦労して経営計画を作成しているの時々分からなくなる。
しかし、今と同じような考え方で経営計画を作成している限り、この悪循環からあなたは抜け出す事ができません。
この記事を読むと、経営を安定的に成長させる経営計画を作成するために、優先してすべき事が分かります。
多くの中小企業が犯す勘違い
あなたのビジネスの経営計画がうまくいないのは、会計中心の経営計画だからです。
もし、あなたが会計事務所の指導で経営計画を作成しているならば、おそらく“会計中心の経営計画”です。
会計中心の経営計画がうまくいかない根本的理由は「売上計画」の策定にあります。
あなたの会社は売上をどのように計画しているでしょうか?
会計中心の経営計画では、「目標利益と固定費の合計額」を「限界利益率」で割って「目標売上高」を算定したりすることが多いでしょう。
また、前年の売上高の110%といったようなやり方で目標売上高を算定するところもあるかもしれません。
残念ながら、そのように策定した目標売上高はほとんど未達に終わります。
費用は会社内部でコントロールできるので、つまり、自分の意思で削減できるため達成は容易です。
しかし、売上は相手がいることなので、費用と違い、自分たちの努力だけでなんとかなるものではないのです。
つまり、自分たちの努力が結果に結びつく費用と違い、売上は努力したから必ず結果が出るものではないのです。
だから、結局売上は「営業を頑張る」ということになってしまうのです。
これでは、具体的に何をすればよいのかがまったくわかりません(費用は昼休み消灯するなど具体的)。
会計中心の目標売上は具体的な行動につながらないのです。
会計中心の経営計画はこの視点が欠けています。
効果的なPDCAサイクルとは!?
「うちは、PLAN-DO-CHECK-ACTION(PDCAサイクル)でうまくいっているよ」という方もいるかもしれません。
しかし、それは、あなたの会社に儲けの仕組み(具体的に売上を上げるための精度の高い手段)が既にあるからでしょう。
もしそうでないなら、あなたの会社はまず、儲けの仕組みを作ることが先決です。
儲けの仕組みとは、簡単に言えば「何々をすれば、これだけのお客さんが来て、これだけの売上げが出る」というのが事前に分かるということです。
もちろん、100%の精度で売上を予測することはできませんが・・・。
あなたの会社は、販売活動と売上の関係を数値で把握してきましたか?
もししているとしたら、その数字は何をすれば改善するのかわかりますか?
これが、あなたが優先的にすべき「PLAN-DO-CHECK-ACTION」です。
この仕組みができていないのなら、「会計中心の経営計画」を実行しても、費用をコントロールして、なんとか目標利益を達成することしかできません。
逆を言えば、「儲けの仕組み」が出来ていると、「会計中心の経営計画」も非常にあなたの役に立つようになります。
まとめ
まず、あなたが優先的にやらなければならないのは「儲けの仕組み」作りです。
この「儲けの仕組み」を「PLAN-DO-CHECK-ACTION」で精度の高いものにしていかなければならないのです。
「儲けの仕組み」を持たぬまま、「会計中心の経営計画」を実行しても帳尻あわせに終わるでしょう。
経営計画それ自体は、あなたに経営がうまくいく秘訣を語りかけてくれることはありません。
あなたは知恵を使い、自分のビジネスにあった「儲けの仕組み」を作り出さなければならないのです。
会計中心の経営計画をフルに活用するのはその後です。
2017.10.19更新