「月次決算」を経営改善にフル活用する!

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不確実性が高い事業環境では、将来を高い精度で予測することは困難です。たとえ事業計画をつくり込んでだとしても、計画通りの成果が得られることは多くありません。

計画を立てることに加えて、実際の事業活動の結果を評価・分析して、軌道修正を繰り返すことがより重要になります。

タイムリーに事業活動の成果を把握でき、経営者に有用な判断材料を提供してくれる「月次決算」を活用することで、効果的な軌道修正ができるようになります。

本記事では、「月次決算」の特徴や活用法など月次管理に役立つ情報を整理しています。

1.月次決算は経営改善のための月次管理ツール

月次決算には、年度決算と比較して次の特徴があります。

(1)経営に役立つ情報をタイムリーに提供する

年度決算は、会社の利害関係者(株主、債権者など)に対して会計年度末の財務情報を提供することを目的としています。一方、月次決算は、経営者に対して意思決定の材料をタイムリーに提供することを目的として毎月実施します。

(2)自社の管理目的に合わせて報告内容を柔軟に設定する

年度決算は、会社法などにより実施が義務付けられており、処理方法と開示のルールが定められています。一方、月次決算は、経営管理に役立たせるため会社が任意に行います。したがって報告内容は各社の管理目的(事業環境の変化を把握すること、業績評価、意思決定など)に応じて柔軟に決定できます。

目的に合わせて自由に設定というと、かえってハードルが高く感じられるかもしれませんが、事業内容がそれほど複雑でない比較的小規模な会社では、難しく考える必要はありません。

会計ソフトで作成する月次試算表と各財務指標から、自社が重視する項目(例えば、売上高、営業利益、売上総利益率など)を評価対象として選択することで簡単に有効な月次管理が可能となります。

2.月次決算はPDCAサイクルの「C」

ビジネスの目的達成には、計画を立て(P:PLAN)、行動し(D:DO)、結果を評価・分析し(C:CHECK)、改善策を策定する(A:ACTION)、という一連の活動を繰り返すことが必要です。

このPDCAサイクルを回すことが、業種や規模を問わず、すべての事業に共通する基礎的なフレームワークです。

創業期の小さな会社でも、ほとんどの経営者は、行動に先立ち計画をたてて(P)、事業活動を行っている(D)と思います。ただし、その結果のタイムリーな評価・分析(C)と改善活動(A)の徹底ができている会社は多くありません。

月次決算は、PDCAサイクルのC(CHECK)にあたります。成り行きまかせの事業運営を脱して、PDCAを的確に廻していくために月次決算が役立ちます。

3.月次決算の活用メリット

経営においては、事業の現状を把握すること、的確な意思決定を行うこと、将来を予測する能力を高めることが重要ですが、これらすべてに月決算は有効です。

(1)業績、財務状況を素早く把握して判断できる

月次決算により、毎月直近の財務状況を把握できるようになり、タイムリーかつ的確な判断ができるようになります。

(2)重大な問題を早期に発見して対処できる

事業を安定的に運営するには、不測の事態に陥りにくい体制を整えることが必要です。

月次決算を行うことで月に一度は最新の財務情報に接す機会ができます。経営上の重大な問題が生じているにもかかわらず、その兆候が表れている財務数値を把握できず問題が放置されるというリスクを抑えることができます。

(3)将来の予測ができる

利益目標の達成には、適切な利幅を確保しながら売上を積み上げていく必要がありますが、そのマネジメントには月次決算が有効です。

また、金融機関からの融資を検討している場合、財務内容に対する影響に留意して経営判断することが必要です。

月ごとに経営成績と財務状況を財務数値で表すことにより、年度損益がいくらの黒字(赤字)になるのか、税額はどれくらいなるか、期末の財政状態(貸借対照表)の見通しを立てることができます。

4.月次決算を利用した分析方法

月次決算を利用した分析を行うことで、経営上の課題の発見、収益や費用のトレンドの把握、年度決算の予測、会計処理の正確性の検証ができます。

(1)推移分析

収益項目や費用項目の月次推移をみることで、収益・費用のトレンドを把握して将来予測や改善すべき問題の有無を検証できます。

(2)期間分析

前年同期や期首の値と比較して変動理由を確かめることで、事業上の問題、対処すべき課題を明らかにすることができます。

(3)予算・実績分析

予算と実績を比較することで、目標値に対する進捗を把握することができます。迅速に対策を講じることで、収益力改善に役立てることができます。

5.創業期こそ月次決算が効果的を発揮する!

メリットの大きい月次決算ですが、起業直後の会社では積極的に活用しているケースは多くないようです。起業家は、自社プロダクト・サービスの価値を高めることや顧客獲得には熱心に取り組んでいます。その反面、財務会計への関心は一般的に低く、1年目決算の税務申告時に初めて自社の財務情報を目にするという方もいるようです。

財務内容を適時にチェックしないことの最大の問題は、解決すべき課題の認識が遅れ、わるい経営を続けてしまう危険があることです。一般的に財務が脆弱で資金的な制約が大きい創業期の会社が、課題に気づかず成行きに任せて活動を続けると、資金不足が生じて思うような事業活動ができなくなるリスクが高まります。

月次決算で事業上の問題を早期に発見できれば、販売活動のテコ入れや支出の抑制など様々な対応策をタイムリーに打ち、時間と資金のムダを抑えることができます。

限られた経営資源を最大限に有効活用する観点からも、開業直後からの月次決算をお勧めします。

6.まとめ

事業活動の成果をタイムリーに把握して適切な経営判断を可能にする「月次決算」は、事業目標達成に不可欠な管理ツールです。

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