経営に関するセミナーなどで次のような広告文を目にしたことがあるかもしれません。
「~をすれば、~という良い結果が得られます」
しかし、望む結果を得ることができる人は多くはありません。
それは良い結果を生み出すためにはある原因が必要だからです。
その原因とは、「あなた自身の行動」です。
「そんなことは当たり前」だと思うかもしれませんが、
吉田松陰の松下村塾には規範があり、その一節に次のような言葉があります。
「顧人不讀。即讀不行。(人は本を読まない。
つまり、そもそも人は読書などを通じて知識の習得をしないし、
読書やセミナーなどで知識を習得しようとしているなら、それは素晴らしいことではあります。
なぜなら、ほとんど多くの経営者は「知識の習得」すらしないからです。
しかし、もったいないことに知識を習得したとしても、今度はそれを実行する人が非常に少ないわけです。
どれくらい少ないかというと、実際に行動する人は2~3%だそうです。
もともと知識の習得すらしない人が多い中で、それを実行する人は数%としかいないという驚愕すべき実態について私たちは真剣に考える必要があります。
なぜなら、もしあなたが知識の習得に熱心でそれを行動に移すなら、その他大勢の経営者と大きな差をつけることができるからです。
しかし、なぜ私たちはその他大勢の経営者から抜きんでる可能性が高いにも関わらず、行動しないのでしょうか?
確かに、知識の習得と比べ、実際の自分のビジネスに適用できるように考えなければならないので、行動はとても面倒です。
けれども、「知識を習得」するだけで簡単に「行動できる」なら、そもそもその他大勢の経営者に対してアドバンテージにならないのではないでしょう。
その差は知識を知っているか知らないかだけになるわけですから(豊富な情報を得られる機会がある中で「知らない状態」にしておくほうが難しい)。
また、練った行動計画が失敗に終わる可能性だって当然あります。
苦労した分、失敗した時の落胆は大きいでしょうが、複雑な経営環境の中で100%成功すると考えることは無理があります。
実際、様々な試行錯誤の末、成功するといった「失敗の重要性」について語っている経営者は多いのです。
結局、行動に移さないのは私たちの心のどこかで“楽をしたい”という気持ちがあるのではないかと思います。
ですが、経営においてそのような「魔法の杖」は恐らく存在しないでしょう。
私たち経営者はどこかで“苦労”しなければならないと思います。
ビジネスでの“苦労”は実際に行動することです。
確かに、「知識を習得する」ことも行動ではありますが、経営では「知識を自分のビジネスに適用して動く」ことこそが“行動”なのです。
そして、実際に行動できる経営者は、試行錯誤を通じて様々なノウハウを蓄積していますから、競合が表面上マネしても簡単には追いつくことはできません。