多くの人にとって、ビジネスを立ち上げるのは初めての経験になりますから、不安に感じるのは当たり前です。
起業するにあたって、
・何をすればいいのか分からない
・誰に相談すれば、役立つアドバイスを得られるか分からない
・とりあえず、お金の準備と設立の事務手続きだけ進めておこう
という起業準備者は多いでしょう。
しかし、スムーズに起業し、開業後も安定的な経営を続けていくためには、起業準備段階での優れた相談者の存在は欠かせません。
この記事を読むことで、あなたは最適な相談者を見つけることができます。
また、起業するために必要なたくさんの知識を無料で得ることができるようになります。
もちろん、この記事で紹介する公的な支援は起業をしようとする方だけでなく、すでに開業している方が経営支援として活用することもできます。
1.起業に相談者が必要なワケ?
中小企業白書(2014年度版)によると、4割の起業準備者は起業を断念しそうになった局面で適切な相談者がいないそうです。
また、相談者がいる6割の起業準備者でも、その多くは「家族、親せき、友人、知人」です。
家族などでも起業経験があれば、有用なアドバイスをしてくれるかもしれませんが、一般的に精神面でのアドバイスが中心になるでしょう。
もちろん、こういった精神面でのアドバイスもあなたの士気を鼓舞してくれるので役立ちますが、本当に必要なのはもっと起業の実務面に即したアドバイスのはずです。
開業に至るまでには様々な障害があなたを襲うでしょう。
これらを上手く回避し、スムーズな起業をするために、もっと言えば、開業後の経営の安定のために起業準備段階で適切な相談者がいると安心なはずです。
2.相談者に誰を選べばいいのか?
あなたもご存じの通り、国をは起業家支援の政策を行っています。
このため、インターネットで検索すれば、官民問わず、様々な機関のセミナー、勉強会、コンサルティングなどの起業支援がヒットします。
しかし、多すぎるのもどれを選んでいいか困るものです。
そこで、多くの支援機関の中から、この記事では“公的な”創業支援機関を紹介します。
なぜなら、公的な創業支援は国の政策で行っているため、無料、有料でも格安で利用できるからです(資金が少ない起業段階では有難いはずです)。
この点、たとえばセミナーは無料でもその後のコンサルティングは高額になることが多い民間とは大きな違いです。
なお、私は次に紹介する公的な創業支援機関と利害関係はありませんので、起業家のあなたのためにニュートラルな意見を提供していると自負しています(むしろ、私にとっては商売敵です)。
3.公的な創業支援おススメ4選+1
国の起業支援は経済産業省(及び外局の中小企業庁)が中心になって行っているので、他の支援機関は考えなくていいでしょう。
一次情報を最も多く持っているのは、中心となる官庁とこれに類する“公的”色彩の強い組織ですし、また、相談窓口が多ければかえって混乱します。
ですから、以下で紹介するところを覚えておけば当面は必要十分です。
①中小機構の相談窓口
独立行政法人中小企業基盤整備機構(以下、中小機構)では、経営に関する窓口相談を無料で受け付けています(中小機構の相談窓口はこちらを参照してください)。
また、メール、ホットラインでの相談も可能です(参照は上記リンク先と同じ)。
これら“経営”相談はすでに開業している経営者のみを対象としているわけではないので、これから起業しようと考えているあなたも積極的に利用して欲しいと思います。
この窓口相談は、起業に関してあまり良く分からない人が、最初に利用するのに適しています(たとえば、他にどのような公的な支援機関があるかなどのアドバイスが得られる)。
②よろず支援拠点
これは、経済産業省が中小企業の経営をサポートするため、全国に整備した支援拠点です(各地域のよろず支援拠点はコチラです)。
「よろず支援拠点」は、中小企業・小規模事業者の起業から安定までの各段階のニーズに応じて
- 既存の支援機関では十分に解決できない経営相談に対する「総合的・先進的経営アドバイス」を
- 事業者の相談に応じた「適切なチームの編成」で
- 案件に応じた「的確な支援機関等の紹介」といった
きめ細かな対応をしてくれます。
ですから、起業について、より詳しいアドバイスが欲しい方は、よろず支援拠点を利用するといいでしょう。
なお、よろず支援拠点の利用料は無料です。
よろず支援拠点は、各都道府県に1カ所ですが、サテライトオフィスを設けているところもありますので(たとえば神奈川の場合は6カ所ある)、あなたに最寄りの支援拠点が見つかるはずです。
ちなみに、よろず支援拠点の平成28年度(4月から翌年3月)相談対応件数は188,364件に上り、相談者の満足度はおおよそ90%あります(活動実績の詳細はコチラです)。
この件数は民間ではなかなか実現できないので、よろず支援拠点の経験値はあなどれないものがあります。
平均的な起業準備者(悪い意味ではありません)にとって、「よろず支援拠点」はアクセスの良さ、支援体制の充実度からいって最適ではないかと思います。
③都道府県等の中小企業支援センター
各都道府県等に中小企業を支援する拠点がります(各中小企業支援センターはコチラ)
創業融資制度など起業全般にわたる相談・助言を無料でしてくれますので、活用しましょう。
なお、電話、メール、窓口での相談ができます。
起業に対する具体的な課題(起業家向けの融資制度を知りたい)などがある人が活用するのに最適でしょう。
④ビジネスト(BusiNest)
ビジネストは、中小機構関東が開設した創業支援・新事業支援拠点であり、そのキャッチ・コピーは「“ビジネスのタマゴ”を、羽ばたかせる場所」です(ビジネストの詳細はコチラをご覧ください)。
残念ながら、東京だけにしかありませんが、お近くにお住まいの方は利用するといいでしょう。
ビジネストの起業家向けのサポートは、有料と無料のコースがあります(コースの詳しい説明はコチラを参照ください)。
無料コースはセミナーが中心です(セミナーの詳細はコチラです)。
一方、有料の起業家向け「創業準備」コース(創業準備コースの詳細はコチラです)はかなり本格的なサポートです。
創業準備コースは原則として6カ月間で(更新も可能)、
・あなた専属の支援担当者のサポートにより
・ビジネスプランの作成や事業立ち上げなど、「事業スキームづくり」や
・販売促進ツール、PR資料作成(デザインなどのビジュアル支援中心)など、「営業スキームづくり」
といったビジネスに必要なスキルを体系的なプログラムにより習得していきます。
ただし、募集は年1回(毎年2月)、募集人員も8名程度で、審査により選考されます。
料金は会費が月4千円(更新する場合、更新毎に月額プラス2千円)です。
また、オフィスも格安で利用できます(例えば、個室(小)は月額4千円)。
⑤相談だけでなく、その他のサポートもあります!
ここでは、起業に必要な知識や起業マニュアルなどの文書によるサポートを紹介します。
多くの起業情報の中から信頼しうる2つを選んで紹介しますので、ブックマークしておくといいでしょう。
おそらくあなたは、お腹いっぱいになるくらい無料の情報が手に入ります。
「起業するための魔法(そんなものはありません!!)」をあなたが求めていない限り、これで十分なはずです。
ⅰ.中小機構「J-Net21」
中小機構の中小企業ビジネス支援サイトです。
こちらのサイトでは起業に役立つ情報やノウハウも発信しています。
起業マニュアルが用意されていますので、起業しようという方は事前に読んでおくといいでしょう(起業マニュアルはコチラで閲覧できます)。
その他、経営ハンドブック内(経営ハンドブックはコチラです)に「はじめての経営計画を作る」など役立つ情報が豊富に用意されていますので、必要に応じて閲覧するといいでしょう。
なお、起業メニュー以外に信頼し得る格安のセミナー情報なども入手することができますので、興味のあるセミナーに参加するといいでしょう(各種セミナーの情報はコチラです)。
ⅱ.日本政策金融公庫のホームページ
日本政策金融公庫のHPにもお役立ち情報が満載です。
・先輩起業家の創業事例
先輩起業家の事例を研究することにより、リスクを回避することも可能です。
また、身近な人が起業家となっているのを見ることは「自分にもできる」という士気を高めるのにも役立ちます。
以下のアドレスで先輩起業家の創業事例をこちらで見ることができます。
特定の業種についても選んで見ることもできますので参考にしてください。
参考 ➡ 先輩起業家の創業事例
・経営Q&A
経営力を引き上げるための様々な情報をPDFでダウンロードできます。
販売、人材、法律などの経営についての信頼し得るお役立ち情報がたくさん用意されていますので、興味のあるものを読んでおきましょう。
参考 ➡ 経営Q&A
4.まとめ
余談ですが、国家の存亡に関わるスパイの情報は、99%が新聞・テレビなどの格安なところで入手しているそうです。
お金と知識のない起業家も専門のサポートが受けられないから起業できないと諦める必要はありません。
必要十分な知識・スキルなどの情報は、無料あるいは格安で入手可能です。
このたくさんの情報やサポートを使い倒して、起業の実現のために賢く利用しましょう。
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