「もう少し簡単に融資を受けられたら事業にもっと集中できるはず」
そう感じている経営者は多いと思います。
これまでの資金調達では大変な思いをしてきた割になかなか希望する借入れができなかったという場合は、今までのアプローチを少し修正することで、負担やストレスを小さくしながら融資成功の可能性を大幅にアップできるかもしれません。
私が有効だと考えるのは、最初に「すべての融資に共通するシンプルな考え方」を身につける方法です。そこで押さえるべきポイントは、「銀行を理解する」、「自社を理解する」、「アピールの方法」の3つです。
手を広げるだけでは成果につながらない
セミナー参加や書籍でノウハウを勉強して、「なるほど!」と納得はできたけど、実践してみても結果につながらない。あれこれ試行錯誤している間に、やっていることが融資獲得にプラスになるのか自信がもてなくなり、銀行とのやりとりも大きなストレスになってしまった。
融資対策しても思うような成果が出ずに悩んでいる経営者は少なくないようです。
うまくいかない理由は経営者の力量や努力が十分でないためでしょうか?もっと時間を割いて財務や会計を深く学習する必要があるのでしょうか?
多く学ぶことで目標達成に近づけることは否定しませんが、経営者には他にもやるべきことがたくさんあり資金調達の勉強ばかりしていられません。アプローチを変えることが有効です。
スポーツを例にとります。勝ちたいと考えたら、日頃から練習に励み、相手を研究し自分の力を分析したうえで戦術を練り上げて試合に臨むはずです。
資金調達も同じです。融資を成功させようと考えたら、日頃から事業活動に励むかたわら銀行融資のことを研究し、自社を財務的に正しく把握したうえ、「貸付けても大丈夫」と銀行が判断できる証拠を揃えて融資を申し込むべきです。
これが最も有効な融資獲得の正攻法であり、これ以外に秘策はありません。
特に創業期は計画通りの売上はたたず、予定外の支出もでてきます。創業のため準備した資金が減少し追加資金が必要になってはじめて融資対策に取り組んだとしてうまくいくでしょうか。もう一度スポーツに例えると、初心者が体験レッスンだけ受講していきなりベテラン選手に勝負を挑むようなものです。これでは相手になりません。うまくいかず資金繰りに苦しむことになって当然なのです。
「基礎」を身につけて試合(融資申請)に出てください。致命的なケガをしないために。
銀行融資の「基本ステップ」を心得ると、楽になる。
「基礎」の習得を後回しにしていては、いつまでたっても資金難から抜け出せないことになりかねません。財務内容が万全でなくても融資を獲得できている会社の共通点は次の通りです。
経営者が自分の会社と銀行のことをよく理解して、
自社のことを銀行にうまく説明した。
その結果、銀行が返済可能と結論付けた。
これから導かれる融資必勝の基本ステップは
1.銀行を理解すること。
2.自社を理解すること。
3.自社アピールを工夫すること。
となります。
それぞれの基本ステップの理解と定番手法を習得することが、融資獲得の「基礎」を身につけることになります。例えば、「銀行を理解する」においては、「どのような相手に貸せるのか」「判断基準は何か」などを正しく理解することです。これらの基礎を押さえることで、溢れる情報に惑わされず結果を出せる融資対策に自信をもって取り組むことが可能となります。
融資で苦労する具体的な理由は様々ですが、根本的な理由は基本ステップをクリアするため必要な基礎知識や定番手法を欠いている、またはそもそも基本ステップのどれかを完全に省いているためと思われます。うまくいかないときは秘策があるのではないかと細かなテクニックを追い求めたくなりますが、基本に立ち返る必要があります。
すべての融資に共通する土台となる極めてシンプルな考え方を習得できると、あれこれ悩まず融資獲得という目標達成のため効果的かつ効率的な行動がとれるようになります。これにより本来の事業活動のための十分な資金と時間が確保できるようになるのです。
余計な情報を遮断して、まず自分で考えてみる
「銀行を理解する」とは?
「自社を理解する」とは?
「効果的なアピール」とは?
詳細なテクニックや他社の具体的な成功事例など、溢れる情報を一旦遮断して、最初に経営者が自分なりに考えてみてください。
自分で導いた「答え」をもって、借入のためのノウハウを改めて学ぶことで、自信を持って効果的な行動がとれるようになります。
基本ステップの個別ポイントは、当ウェブサイト「商道」で具体的に取り上げていく予定です。
「銀行を理解する」参考記事
「自社を理解する」参考記事
「アピールの方法」参考記事
まとめ
融資においても最初に基礎を確実に身につけることが、遠回りに思えてもトータルの負担を軽くして資金調達で苦労しない経営につながります。