銀行借入の提出書類で自社を理解する

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融資をスムーズに獲得できない理由のひとつに、経営者が財務と資金の状況をタイムリーかつ正確に把握していないことがあげられます。

自分の会社を正しく理解することにより、融資獲得を難しくしている問題を明確にして、その解決策を実行することが可能になります。また銀行の融資先に対する心証を考えても、自社を正しく理解して素早く行動をとれる経営者に対しては、融資のハードルが低くなるというメリットがあります。

融資につながる自社の理解とは

銀行からの融資獲得が目的なら、自社の理解も銀行目線でおこなうことが近道です。

銀行があなたの会社について最も知りたいことは

「元本と利息をきちんと返済できるか」です。

そのため銀行は融資審査で

①財務的な安全性 (当面の支払能力があり財務の健全性が高いか)

②事業の収益性    (継続して黒字が見込まれるか)

を見定めて、「きちんと返済できるか」を判断します。

この判断のプロセスで会社から様々な文書の提供を受け、さらに独自に会社の情報を入手・分析して返済能力を評価するのです。

以下で4つの最重要資料について説明します。

重要な会社作成資料① 決算書

銀行は決算書に基づき財務内容を評価し返済能力を判断します。決算書は企業活動の過去の実績を会計数値で表した財務情報です。これに問題がない場合、将来の返済能力があると判断します。

銀行は決算書の内容を重視しますが、自社決算について経営者の理解度にも高い関心を持っています。経営者が数値に疎くどんぶり勘定であるとの印象を与えることは避けなくてはなりません。

財務内容がネックとなって融資を受けにくい会社の経営者は「評価が高くなる決算書」を理解して、決算書への影響を意識して経営を行えるようにしてください。決算においては認められたルールの範囲内でできるだけ銀行受けがいい決算書となるよう工夫を凝らすことが必要です。

融資を受けやすい会社へのランクアップするため、決算書を改善する方法は次のふたつです。

・銀行が重視する財務指標の理解と改善

・銀行に悪い印象を与える財務諸表項目の理解と解消

あきんどう記事: 無料ツールを活用!! 5分で出来る財務分析

重要な会社作成資料② 試算表

試算表(T/B: trial balance)とは、決算を確定する前に、日々の取引の仕訳や総勘定元帳への転記が正確に行われているかを検証するために作成する集計表です。試算表は毎月末に締切られ月次で作成するのが一般的です。

試算表は日々の企業活動を月ごとに総括した財務の速報情報であり企業活動の実績をリアルタイムに把握できるツールです。試算表で直近の業績、財務状況を把握することで以降の経営判断に最新の情報を反映させることが可能となります。

銀行にとって試算表は、融資先の直近の状態をタイムリーに把握できる重要な情報源です。また試算表を利用して売上、原価や経費の趨勢を分析して、実績を計画(予算)と比較して事業計画の実現可能性とそれを前提として返済能力を予測することが可能となります。

月次試算表を素早く作成し、その後の経営にうまく活用している会社は管理体制が良好であると評価され融資条件に有利に働きます。

あきんどう記事: 月次決算を経営改善にフル活用する!

重要な会社作成資料③ 資金繰り表

支払い不能に陥れば、以降の経済活動が事実上できなくなり倒産してしまいます。そうならないように会社は日々の支払と回収を把握しておくことが必要です。資金繰り計画表は半年から1年程度先までの資金状況(手許に資金がどれだけ残っているか)を把握し、資金繰り悪化が予測される場合には時間的余裕をもって事前に対策を取ることを可能にする重要な経営管理ツールです。

資金繰り表を作成することにより資金が足りなくなる時期を早期に察知して、時間的余裕をもって融資の申込など資金不足回避に取組めるようになります。

銀行は資金繰り計画表により会社のお金の流れを予測し、申し込まれた融資の金額や資金使途に合理性があるのかどうかを検討できます。さらに資金繰り表と経営計画その他の管理資料の整合性の検証等を通して会社の財務管理レベルを推測し返済計画に実現可能性があるかを見極める材料とします。

あきんどう記事: 借入できる資金繰り表

重要な会社作成資料④ 事業計画書

融資申請において会社説明資料として事業計画書が必要となります。銀行は事業計画を通して経営者が会社を今後どのように発展させようとしているのか知ることができます。申請されている融資の資金使途が事業計画と整合しているか、さらに事業計画の実現可能性を勘案し将来の返済能力を予測し融資が回収できるかどうかを評価します。

事業計画書は金融機関に対して事業評価の資料として意義がありますが、企業が自社のために作成する重要な管理文書です。今後の事業について深く考え、会社の将来のありようを具体的な数値を用いて表すことに本来的な意義があります。

日常的なつくり込み

説明してきた4つの重要資料は、融資申込みのために初めて必要になるわけではなく、融資を受けない場合でも日常的な経営管理や税務申告などのために必要です。日頃から銀行提出文書レベルで自社を把握し銀行による評価を意識してプラッシュアップすることが融資成功のための効果的かつ効率的な準備と言えます。

また、これらの資料を使った財務についての正しい理解は、融資獲得にプラスになるだけでなく意思決定の質を高めることで業績アップが期待できます。

まとめ

資金調達を重荷に感じている経営者の多くは自社の財務状況を正しく理解していません。このことがスムーズな融資獲得の妨げとなっています。日常的に銀行提出書類で自社を理解しておくことが楽な資金調達につながります。

 

 

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