ターゲティングの方法~売上を伸ばすお客様の選び方!

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ターゲティングとはお客様を絞ることです。

お客様を絞ることは売上の機会を失うように思えるため怖いものです。

しかし、誰に向けての商品なのかがあいまいなものは、結局、誰の心も惹きつけません。

そして、お客様を絞るのは、小さな会社の戦い方の“定石”でもあります。

あなたは、お客様を絞らないことにより、より大きな売上を逃しているかもしれません・・・・

 

1.お客様をなぜ絞る必要があるのか?

お客様を絞るということに、抵抗感を感じる方も多いでしょう。

しかし、あなたの商品が誰にでも役立つものではない以上、それを必要としない人に対して販売活動をしても意味がありません。

たとえば、商品が男性向けで、具体的な販売活動として駅前でチラシを配るとします。

この時、あなたは女性にチラシを配るでしょうか?

もし、女性に配ったとしても、それは結婚指輪をしているとか、子供を連れているとかで家族の中に男性がいると想定しているからでしょう。

つまり、絞ったお客様以外は具体的な販売活動をしても興味を示さないので(男性向け商品を女性に販売しても無関心)、不効率なのです。

参考記事 ➡ 顧客、自社、競合の3つで、マーケティングの基本を理解する方法

また、小さな会社の戦い方として“絞る”ことは定石です。

小さな会社は、お客様、商品、地域を絞って戦うことが勝ちパターンになります。

なかには、そんな定石など打ち破ってやるというような意欲的な人もいるかもしれませんが、勝つ確率の高いパータンがあるなら、それに乗る方がずーっと楽です。

参考記事 ➡ 集中戦略とは?-小さな会社の戦略定石-

2.お客様を細分化し、そして絞る!?

見込み客を絞る前に、あなたの商品を買う可能性のあるお客様全体を何らかの方法で細かく区分する(セグメンテーションと言います)、つまりグループ化する必要があります。

そして、その分けられたグループの中から、一つ、または複数のグループに絞っていきます(ターゲティングと言います)。

絞る基準はそのグループ化した見込み客の中で、あなたが具体的な販売活動をした時に、最も多く買ってくれそうなグループです(この段階では仮説です)。

細分化の方法は、

  • 地理的変数(国、都道府県、市町村など)
  • デモグラフィック変数(年齢、世帯規模、性別、所得など)
  • サイコグラフィック変数(ライフスタイル、価値観、個性など)
  • ベネフィット

などありますが、当記事ではその中から2つ紹介します。

 

2-1 デモグラフィック変数による細分化

これは、人口統計データでお客様を区分する方法です。

具体的には、年齢、性別、所得水準、世帯構成、職業などで区分します。

たとえば、「30代からの女性のための基礎化粧品」といった商品は、少なくとも“性別”と“年齢”で細分化されていることが分かります(細分化された1つ1つのグループをセグメントと言います)。

 

デモグラフィック変数による細分化の長所は、細分化のための情報が「入手しやすい」ということです。

ちなみに、デモグラフィック変数データは総務省統計局のホームページなどから入手可能です。

参考:統計局分野別一覧

 

一方、短所は見込み客が絞られるすぎる可能性があるということです。

今まで男性が中心であった市場に女性が入り込んでくることはよくあります(たとえば、釣など)。

この場合、最初から女性を除外して考えると、売上の機会を失うことななります。

 

2-2 ベネフィットによる細分化

確かに年齢や所得水準によって選ばれる衣料品や車が違ったりします。

しかし、このデモグラフィック変数を盲目的に信じてしますと、有望な市場を切り捨てしまうこともあります。

「“女性向け”の30代からの基礎化粧品」は「年齢を感じさせない若さを保ちたい」という男性も欲しがるかもしれません。

 

そこで、ベネフィットによって市場を細分化することも必要になります。

ベネフィットは、「商品を入手することにより得られる利益」です。

たとえば、自動車で言えば「燃費が良くなった」というだけにとどまらず、友人に「その車、かっこいいね」と言われたといった感情面での利益も含みます。

ベネフィットについては、別の機会でお話ししますので、ここではこれくらいにしておきましょう。

 

このベネフィットによる細分化でよく例に出されるのが歯磨き市場です。

今、この市場をデモグラフィック変数により細分化し、ターゲットを次のように決定したとします。

  1. 性別:女性
  2. 世帯規模:3人家族(夫、十代の娘)
  3. 所得水準:年収500万円

あなたは、このターゲットにふさわしい歯磨き粉を“具体的に”思い浮かべることができるでしょうか?

 

今度はベネフィツトでグループ分けしてみましょう。

  • 低価格(経済性)のグループ
  • 虫歯などの予防(薬用効果)のグループ
  • 歯の輝き(化粧品志向)のグループ
  • 味の良さ(味覚志向)のグループ

デモグラフィック変数で選んだターゲットの中に様々なベネフィットを求めるターゲットがいることが分かります。

歯周病が気になるお父さんは虫歯などの予防を求めるグループ、10代の娘さんは歯の輝きを求めるグループ、家計を預かるお母さんは低価格を求めるグループといったようにです。

そして、ベネフィットでグループ分けしてみると、適合する商品が思い浮かびます。

虫歯などの予防なら、たとえば「クリニカ」、歯の輝きなら「Ora2(オーラツー)」のように。

 

ベネフィットでグループ分けすると、お客様の心に刺さるような商品の売り方ができそうです。

確かに、デモグラフィック変数によるお客様の絞り込みは「誰が買ったか」は詳細に分かります(次に買うかは分からない)。

しかし、「なぜ買ったのか」を知ることはできません。

ベネフィットによる絞り込みは、この「なぜ買ったのか」に推定できるのでこちらに分があるでしょう。

ですから、私たち中小企業経営者は、ベネフィットによるお客様の絞り込みをメインに考えましょう。

 

2-3 細分化したら決定するのだ!!

デモグラフィック変数によるグループ分けを例にして、ターゲットの決定の仕方を説明しましょう。

今、化粧品市場を2つの切り口、性別と年齢でグループ分けします。

すると、表のように4つのグループ(4つのセグメント)に区分できます。

そして、この4つのグループの中で、一番利益が出そうなグループとして「30代以上の女性」を選択します(図の星印)。

他のグループは切り捨てます。

「20代までの女性も選択すれば売上がもっと上がりそうだけど?」

この化粧品のお値段はちょっと高めで、効果としては「お肌の張りを取り戻す」です。

このため、お金にあまり余裕のない20代までの女性には毎日使う基礎化粧品としてはハードルが高いし、また、お肌の張をさほど気にしていない人に売っても関心がないことが多いでしょう。

だから、「20代までの女性」は切り捨てます。

 

ここで、注意しておきたいのは、最初に「30代からの女性のための基礎化粧品」という商品が先にあったわけではないということです。

先に、ターゲットを「30代からの女性」と決定しているのです。

そしてその後に、ターゲットに最もふさわしい商品(30代からの女性のための基礎化粧品)を作っています。

このような考え方を「マーケットイン」と言います。

反対の言葉は「プロダクトアウト」です。

プロダクトアウトは先に商品(製品)ありきの考え方で、マーケットインの発想がないと、無駄に多機能な商品や誰に向けての商品なのかあいまいとなり、実際の販売活動が難しくなります。

 

3.まとめ

中小企業はお客様(見込み客)を絞って販売活動をする必要があります。

なぜなら、それが小さな会社の戦い方の定石であり、マーケットインの考え方だからです。

誰にでも合う商品などないのです。

誰にでも合う商品は、結局のところ“誰にも合っていない商品”です(だから、お客様にはピンとこないので売れない)。

ですから、中小企業経営者は、売上の機会を失うなどと恐れないで絞ったお客様に集中しましょう。

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