見込み客(ターゲット)をしっかり選定すると、営業の効率を高めるためることができます。
なぜなら、あなたの商品を買わないであろうお客様にアプローチしても(高齢者対象の商品を若者に売るようなこと)、売れるわけがないからです。
しかしながら、ターゲットを絞りさえすれば、それだけで時間もお金もない私たち中小企業経営者が効率的にアプローチできるかと言うとそういうわけでもありません・・・。
なぜ、さらに見込み客を区別しなければならないのか?
前回、お客様全体の中からあなたの商品を買う可能性の高い“見込み客”を絞り込みました。
参考 ➡ ターゲティングの方法~売上を伸ばすお客様の選び方!
しかし、ターゲットは文字通り「見込み」に過ぎません。
つまり、この見込み客は買ってくれるだろうというあなたの頭のなかでの予想です。
当然のことながら選んだ中には、あなたの商品にまったく興味のない人もいます。
むしろ、そういった人の方が多いと考えた方がいいでしょう。
興味のまったくない人を含む見込み客すべてに、ダイレクトメールなどを送ってもお金がもったいないわけです。
だから、ターゲットをさらに絞り込む必要があるのです。
見込み客の中にはどんな人たちがいるのか?
ターゲットの中には次のような人たちがいます。
- すぐにでもあなたの商品を買いたい人
- あなたの商品に興味がない人
- 必要だとは思うが欲しいとは思わない人
- 欲しいとは思うが必要性を感じない人
1の人たちはあなたが望む見込客ですが、残念ながら圧倒的に数は少ないです。
アイデアマンの経営者は、あなたの商品が欲しくてたまらないお客様しかいないと思って大々的に宣伝したりします。
しかし、宣伝に投資したお金に対して得られる効果が少ない(売上が少ない)のは、数がもともと数ないのですから当然の結果です。
2の人たちは、あなたが思う以上に人数が多いのです(ターゲットの大部分はこの人たち)。
こういった人たちになんとか商品を好きになってもらおうと努力しても即効性は期待できません。
まったく興味のない人を振り向かせるのには、時間やお金などの多大な努力が必要です(しかも努力したからと言って振り向いてくれる可能性は恋愛と同じように少ない)。
3の人たちは、少なくともあなたの商品(あるいは競合の類似品)が必要であると思っています。
生活の中で困っている問題を抱えており、解決する手段が“必要”であると考えている人たちです。
つまり、そういった商品の必要性は感じてはいるが、別に“あなたの商品”である必要はないという人たちです。
こういった人は、みすみす競合に取られるのではなく、奪い取る努力をする必要があります。
4の人たちは、商品は欲しいと思っているが、必要性を感じしていません。
新しいiPhoneは欲しいが、別に今のままでもいいというような人たちです。
欲しいという感情は、特定の“モノ”と結びついていることが多いと思います(エクスペリアなどの“新機種のスマートフォン”ではなく“iPhone”が欲しい)。
ですから、この見込み客は“競合の商品”ではなく、“あなたの商品”が欲しいと考えています。
欲しいと思ってもらえるのは大きなアドバンテージです。
そうでなくても時間、人、お金などの経営資源が少ない中小企業は優先順位をつけて見込み客を攻略していく必要があります。
つまり、「下手な鉄砲も数うちゃ当たる」方式で、見込み客にアプローチしても効率が悪いということです。
攻略の優先順位は上の見込客の区分を踏まえて考えると、次のようになるでしょう。
問題はどうやって区分するかだ!!
見込み客を効率的に攻略するといっても、そもそも区分されていなければ動きようがありません。
ターゲットである見込み客をどうやって区分するかの具体的な方法を知らなければ、ここまでのお話は絵に書いた餅になってしまいます。
ただし、実践においては、見込み客をはっきりと4つに区分しようなどと考えない方がいいでしょう(手段と時間が必要)。
重要なことは、数の多い「4の商品にほとんど興味のない見込み客」を排除することに主眼があります。
そこで、ネット通販で化粧品を売っている会社で具体的にイメージしてみましょう。
まず、この会社は「30代以上のお肌の衰えが気になり出した女性」をターゲットにしています。
この会社の商品はホームページによって、ターゲット層に知ってもらうことができました。
しかし、この段階では、だだホームページを見に来ただけの買うつもりがほとんどない人も含まれています。
そこで、この会社はある“仕掛け”を準備しました。
あなたもよく目にする「サンプルの無料提供」がそれです。
ほとんど興味のない見込客はサンプルを欲しがりませんので(実際には無料なら何でも欲しいという人はいますが)、首尾よく販売活動から除外でき、買う可能性がある見込み客に集中することができます。
と同時に、買う可能性がある見込み客の住所や氏名などの情報をサンプルと引き換えに入手することができます。
つまり、顧客情報を入手することにより、「欲しいが今は必要かどうかわからない(4の見込み客)」と「必要だかあなたの商品が欲しいとまでは思わない(3の見込み客)」に対して、働きかけができるような手段を得たということです。
後は、これらの見込客に対してダイレクトメールなり、電子メールなど送ったりして“欲しい”や“必要性”を高めていけばいい(お客様を育てていく)ということです。
ここでの“キモ”は言い方は悪いですが「餌」があるということです。
もちろん、サンプルではなく本商品をいきなり販売してもいいのですが、正直言って「あなたの商品が今すぐ欲しい」という見込客を除いて買う可能性は極めて低いでしょう。
ちなみに、本商品(バックエンド商品といいます)をいきなり売る方法をワン・ステップ・マーケティングといい、サンプルなどの集客商品(フロントエンド商品といいます)を提供(無料だけではない)してから、本商品を売る方法をツー・ステップ・マーケティングといいます。
このように、サンプルなどのフロントエンドと引き換えに顧客情報を入手することで、見込み客への働きかけ(たとえば、アンケートなど)が、より効率的になります。
なお、3と4の見込み客は数が多いので、この人たちが「“今すぐ”買わない理由」を知り、それを取り除いてあげることで、売上を大きく伸ばすこともできます。
関連記事 ➡ 見込み客の4つの買わない理由を知るだけで、お客様が殺到する!?
まとめ
ターゲット(見込み客)を絞ることは重要です。
なぜなら、誰にでも売るではあまりに非効率“すぎる”からです。
しかし、ターゲットを絞るだけでは、まだまだ効率的であるとは言えません。
なぜなら、あなたが選定したターゲットの中には「あなたの商品にほとんど興味のない人」が多く含まれているからです。
この「あなたの商品にほとんど興味のない人」を除外して販売活動をすることが、経営資源の少ない中小企業にとってはなにより重要です。