会社の数字に強くなる地味だけれども凄い方法!

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数字に強いという経営者は少数派でしょう。

もしかすると、決算説明を顧問税理士さんから聞くことぐらいしか会社の数字に触れていないかもしれません。

「会計」をビジネスの状態を知るための計器であると考えるなら、これを読み取り適切に判断する力は主体的に経営するうえで必要です。

自分の会社についての「数字に強くなる」ことはあなたが思うほど難しいことではないのです。

しかし、そのためには、スポーツと同じように地味な基礎訓練を少しする必要があります。

そもそも数字に強いとは!?

数字に強いことを「計数能力」があるといいます。

私たち経営者に必要な計数能力とは一体なんでしょうか?

計算が速くて、正確?

確かに、こういったことも計数能力には含まれるでしょう。

 

しかし、これらはあなたが経営していくうえで直接的に役立つわけではありません。

計算が速いとか正確といったような能力は「従業員の会計」で必要とされるものだからです。

電卓もあることですし、経営者である私たちはこれらの能力を必要以上に高める必要はありません。

 

では、経営者に必要な計数能力とは何でしょう?

それは、試算表や決算書などの会社の数字の意味が分かり、問題点にスピーディーに気付くことです。

つまり、数字を通して“鳥の目”、俯瞰して会社を見ることができるということです。

 

当然のことながら、現状の課題に気付くことができなければ、有効な改善策を取ることなどできるはずがないので経営判断の必要な経営者にとっては極めて重要な能力です。

なお、鳥の目で会社の数字を正確に読み解くためには、数字そのものが信頼に足るものでなければならないのは言うまでもありません。
参考 ➡ 不正会計がビジネスに致命的な影響を与える理由!

会社の数字に強くなるためにはどう鍛えればいいのか?

書店に出回っているいわゆる「会計本」は優れたものが多いのは確かです。

こういった本などで計数能力を高めていくことも一つの手段ですが、読むのがきついと思う人も多いでしょう。

ですから、全部を読み終えるような人はそう多くないはずです。

 

これは、会計に苦手意識を持つ経営者にとってはある意味仕方のないことではあります。

また、自社と関係ない数字がたくさん出てくるので、どうにも臨場感に欠けます。

だから、集中力が持たなくて挫折するということもあるでしょう。

 

もちろん、これから紹介する方法もただ聞くだけであっという間に計数能力が身に着くといった“魔法の杖”ではありません。

ですから、あなたの努力も当然必要になってきます。

 

しかし、努力を続けることにより、あなたは自社に対する圧倒的な計数能力を身に付けることができます。

あなたの計数能力を高める方法は、ずばり「比較」です。

最初のうちは、無理せずに1年毎でもいいので本腰を入れて取り組むべきものです。

地味ですが、効果は保証します。

 

会社によっては、決算で顧問税理士さんから数字の比較結果を説明してもらっているところもあるでしょう。

ただ、税理士さんの説明を聞き流すだけではなく、ご自身でやるようにしなければなりません。

比較ってナニ?~実数分析の基本

「比較」とは前期比増減分析と呼ばれるものです。

通常、会計ソフトには試算表、決算書について前期増減比較できる機能が備わっているので、見たことがあるでしょう。

このとても地味でシンプルな分析は異常値を見つけ出すとてもパワフルな方法です。

 

事実、公認会計士の監査などではこの前期比増減分析を手始めに、異常点があればより詳細に問題点を探っていきます。

分析というと、「比率」分析が中心と考えがちですが、「増減額(実額の変化)」についても、むしろこちらを中心に分析を進めていただいたほうがいいでしょう。

 

なぜなら、中小企業の場合、規模が小さいため、変化分が大きくなる傾向があり、変化分の大きなものに注目していたらかえって判断を誤る可能性があるからです(あるいは時間の無断使い)。

また、中小企業の場合、比率を出すまでもなく実額の変化で十分に異常点を発見できるからです。

 

なお、「資金力」では銀行の格付をアップさせるための(同時にあなたの会社の財務力を高める方法でもあります)攻略すべき財務“比率”を紹介してきました。

しかしながら、これは銀行の格付けシステムが比率を中心にしているからです。

比率は、分子と分母のどちらかが変化したのかが見えないので、改善策を練る場合は分母と分子に実額を入れた計算式を必ず作って比率を算定することをお勧めします(比率だけ見てはいけない)。

初心者は「どうやって分析するの?」

会計ソフトでまず比較表を出しましょう。

ここからはその比較表の“増減額(実額)”が生じた理由を考えていくだけです。

大きな考え方としては、1年間可もなく不可もない経営で終わったなら、決算書の売掛金や売上高といった各項目に大きな変化がないのが普通であるということです。

逆を言えば、各項目に大きな動きがあったなら、経営上それに対応する実際の活動があったからということになります(経営上大きな動きがあったなら決算書の項目は大きく動く、つまり、逆に動かないことが異常ということになります)。

そして、それ(動くこと、動かないこと)があなたの経営実績のイメージ(記憶?)どおりなら、初心者の段階では異常点がないと判断してもいいでしょう。

 

たとえば、決算書の中で棚卸資産(在庫)の額が大きく変化したとします。

「おかしいなぁ、特に前期と経営的には変わらなかったはずだけどなぁ、売上もほどんど同じだし。」

この場合、前述したとおり経営の実態が前期とほとんど変わらないなら、棚卸資産の変化はほとんどないはずですから、あなたがおかしいと思うのは会計センスがある証拠です。

 

ここから、あなたは記憶を洗い出し始め、そして変化した理由を見つけ出します。

「そういえば、来期に大きな受注がとれそうなので、それに備えて原材料を多めに仕入れたんだっけ(仕入れただけで使ってないので在庫は増える)」

これで、経営実態と数字の変化がつながりましたので、めでたしめでたしです。

なお、最初のうちは、こういった推理ゲームで変化が異常であるかそうでないかのの“におい”を感じ取る訓練をしてください。

こういった地味な練習を積むことで、次には「この増減には確かに理由はあるけれども、いくらなんでもこの額はあり得ないんじゃないの?」といった“実額の変化の大きさ”で異常点を見つけ出す「嗅覚」が発達してきます。

こういった訓練は、自分だけで終わりにしないで、顧問税理士などにも遠慮なく聞いて、自分の推理が正しいか確認しましょう(優しく教えてくれるはずです)。

まとめ

スポーツの世界で成功するためには地味な基礎訓練が必要なように、計数能力を身に付けるためにもそれは必要です。

会社の数字を比較することは、確かに地味でありますが退屈であるわけではありません(聞くだけの方がよっぽど退屈です)。

なぜなら、そこには推理ゲームの要素があるからです。

そして、そんなゲームを楽しんでいるうちに、あなたの計数能力は自然に研ぎ澄まされ、高まっていきます。

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