私のファイスブックには育毛剤の広告がよく来ます。
昔、髪は長い友なんていう広告もありましたが、育毛剤の広告で私の心は動きません。
それは、私から冷たく去っていった友人(髪)より、ともに戦っている今の友人を大切に考えているからです!!
だから新しい友人を増やすような育毛剤には興味がありません(強がりではありませんよ)。
冗談はさておき、こういった育毛剤の広告はそれを使うことによる“輝かしい未来”を約束します。
それはとても魅力的ではありますが、ターゲットにしっかりはまっているはずの私の心は動きません・・・。
ベネフィットが欲しい理由を考える!
お客様はあなたの商品を買っているのではありません。
あなたの商品によって「良いことを得たい」、「嫌なことを避けたい」から買います。
参考 ➡ お客様は商品を買っていない!?
たとえば、ダイエット食品であれば、「綺麗だねと言われたい」とか「彼氏に振られたくない」から買います。
また、ゴルフクラブであれば、「飛距離を伸ばしたい」とか「スライス、フックを直したい」から買います。
しかし、なぜお客様はベネフィットを求めて商品を買うのでしょうか?
言い換えれば、ベネフィットがある商品に価値を感じてお金を払ってくれるのでしょうか?
問題を感じていなければ買いません!!
突き詰めて考えれば、お客様は現状に何か問題があるからベネフィットを求めて商品を買います。
ダイエット食品であれば、「彼氏から自分の体型を友人と比較して貶された」といったことがあるから「彼氏に振られたくない」といったベネフィットを求めて買うのです。
つまり、商品を使うことで素晴らしい未来が約束されたとしても、そもそも問題を認識していないなら買わないということです。
私と育毛剤の例でもわかるように、「毛がない」ことに問題を感じていないならベネフィット(たとえば女性にもてる)があっても買わないのです。
逆を言えば、たとえば子供に「ハゲのお父さんなんてかっこ悪い」なんて言われようものなら、途端に解決すべき問題として顕在化し、育毛剤のベネフィットが私の心に刺さり始めます。
お客様の抱える問題まで掘り下げて理解しているか?
このように考えていくと、私たちが本当に理解すべきはお客様が抱えている問題や課題ということになります。
しかし、これはお客様の心の中にあるものであり、知ることは難しいわけです。
さらに、厄介なことは「髪の毛を増やす」というベネフィットを求めるお客様でも、問題は人それぞれであるということです。
つまり、ある人は「彼女に薄毛は嫌いと言われた」からかもしれないし、またある人は「子供にハゲのパパは嫌だと言われた」からもしれない、あるいは「老人会で他の同年配の人と比べて老けていると言われた」からかもしれないとうことです。
けれども、お客様のこのような個々の「解決すべき問題」を掴まない限り、お客様にしっかり“寄り添う”ことはできないでしょう。
では、どのようにお客様の心の内を探っていけばいいのでしょうか?
お客様の問題を発見する方法
①自分の困っていることから考える
あなたが困っていることは、他の誰かにとってもおそらく重要です。
私たち経営者はどうしても“モノを提供”する側の立場で考えてしまいがちですが、消費者の視点で考える必要があります。
私たちは提供する側であると同時に需要する側(消費者)でもあるのですから、提供側の視点に偏らないようにしましょう。
提供側の視点に立つと、必要以上に機能を付加したり、サービスを追加したりしてしまうことが多いのです。
お客様は、その機能やサービスがなくてもまったく困らないことはよくあることです。
“自社が扱っている商品”を買う前、買った時、あるいは買った後でお客様にはどんな困ったことがあるか想像力を働かせましょう。
ちなみに、こういうことは「三人寄れば文殊の知恵」ですので、従業員(消費者でもあります)などがいるなら、意見を聞くとよいでしょう。
②クレームを活用する
クレームは“宝の山”であるとよく言われます。
これは、①が想像の産物であるのとは違い、お客様の「生の声」ですので十分に活用しましょう。
お客様の怒りが過ぎ去るのをただ待つのではなく、具体的に「何に不満を感じたのか」をしっかりお聞きしましょう。
このお客様の感じた不満や困ったことは、他のお客様にとっても重要です。
ですから、クレームはそのまま放置せずにお客様の「生の声」を分析し、お客様の抱えている問題をしっかり把握し、あなたの商品に活かしましょう。
③想定外の使われ方に着目する
「???」と思う人もいるでしょう。
デッサン用鉛筆が女性の眉毛書きに使われたり、シャワー用洗面台が、当初想定していたシンクの洗浄用に使われずに、朝シャンに使われたりといったように案外多いのです。
想定していたユーザー(ターゲット)では全然売れなかったのに、違う使われ方に着目したことでバカ売れしたりします。
そもそもターゲットがあいまいだと予想外のお客様に売れたかどうかわかりませんので、この方法を上手く使うためには、明確にターゲットを選定する必要があります。
関連記事 ➡ ターゲティングの方法~売上を伸ばすお客様の選び方!
また、予想外の使い方をしているお客様を把握できるような仕組みがなければなりません(たとえば、定期的なアンケートなど)。
こんなこと考えて役立つの?
もしあなたが、他の中小企業経営者と同じように「営業力・販売力の強化(解決すべき問題)」に問題を感じているなら、「安定的な売上向上ができるようになる」がベネフィットでしょう。
もちろん、現状にとりとめて不安などがなく、今いるお客様で経営人としての幸せな生涯を送れそうなら必要はありません。
私たち経営者はなにより“行動”がすべてです。
なぜなら“行動”しなければ望む“結果”を得ることはできないからです。
つまり、お客様の課題について深く考えることは具体的な行動に結びつくのです。
たとえば具体的な行動としてはお客様へのセールスメッセージがそうです。
「商品の写真と値段だけのチラシ」と「お客様の課題に気付いてそれを解決するのはこの商品ですといったチラシ」のどちらがお客様の心に刺さるか想像してみると分かると思います。
このように、具体的な行動レベルでその他大勢と大きな差を生み出すので、お客様を深く理解することが必要なのです。
参考 ➡ 儲かる社長の戦い方!!
なお、セールスメッセージのスキルはコピーライティング、あるいはセールスライティングと言われますが、これについては後日、改めて記事にしたいと思っています。
まとめ
モノが売れない時代にそのまま販売しているだけでは売上向上は望めません。
しっかり、お客様の抱える課題に向き合い、応えることで、このような時代でも安定的に売上をあげることができます。
お客様の課題を発見することは、何も難しいことではなく、今まであなたが考えていたことだと思います。
それを明確に意識して具体的な行動レベルまで落とし込めば今まで以上に販売が楽になります。