起業するための資金をどこから調達するかについては、その調達先は2つしかありません。
自分で用意するか他人から借りるかです。
なかには自己資金はほとんど使わずに起業したいと考えている人もいるかもしれません。
しかし、ビジネスには想定外のことが多く起こります。
もし、自己資金がゼロであると、お金がないために想定外の出来事に素早く対応できませんし、その時になって銀行から借りようとしても難しいのです。
成功を目の前にして資金不足でビジネスから撤退せざるを得ないことのないように、起業するにあたっては自己資金をしっかり準備する必要があります。
本当に自己資金ゼロで大丈夫か?
自己資金をほとんど用意せずに起業するのは、なんとなくかっこいいイメージもあります。
ビジネスを“効率的”に立ち上げたように感じる人もいるかもしれません。
また、設備などにお金が必要なビジネスで自己資金をほとんど用意せずに起業したなら、誰かがそのお金を負担したということですから、自分のビジネスが他人に評価されたように感じる人もいるでしょう。
確かにインターネットで、情報商材を販売するなどのような場合は設備費などほとんどかからないため、自己資金をそれほど準備しなくとも開業できます。
しかし、開業資金がほどんどかからないとしても、自己資金を十分に準備せずに起業するのはリスクが高いのです。
なぜ、自己資金ゼロで起業できるのか?
自己資金ゼロで起業できるには前提があります。
・開業費用がほとんどかからない、あるいは、開業費用を誰かが貸してくれる
・ビジネスを立ち上げた後、お客様があなたの商品を買ってくれる
・それが一過性ではなく、長く続く
特にビジネスを立ち上げた後の2番目、3番目の前提は重要です。
つまり、これらの前提が成立しない限り、ビジネスを続けていくことはできません。
「買ってくれる“はず”」、「お客様は途絶えない“はず”」で経営すると、その前提が崩れた時にあなたの生活はすぐに逼迫します。
だから、お客様が買ってくれるというかなりの確信がない限りは、自己資金(広い意味での)ゼロで起業してはいけないのです。
かつては、株式会社を設立するのに、1千万円のお金を準備する必要がありました(「最低資本金制度」という)。
今は1円でできます(厳密にはゼロではありません)。
株式会社は社会的に信用されるという話を聞いたことがあることでしょう。
しかし、これは株式会社そのものが信用されたのではなく、資本金1千万円を準備して起業した“ビジネスに対する覚悟”が評価されたものであると私は考えています。
実際、あなたのビジネスが順調で、スケールアップのために借入金をしたいと考えても、資本金1円では資金の貸し手は現れないでしょう。
ですから、自己資金ゼロで開業できるからといって安易に起業するのではなく、しっかり元手は準備して起業すべきです。
まとめ
自己資金ゼロで起業することはできますが、その後の経営を考えればある程度の資本は準備しておかなければなりません。
資本金1円で起業した後、仮にビジネスが順調でスケールアップしたいと考えても、資本金1円ではどこもあなたにお金を貸してくれません。
つまり、どこかの段階で資本金を充実させる必要が出てきます。
であるならば、最初から資本金をしっかり準備して、ビジネスに対するあなたの覚悟を示しましょう。
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