起業を目指す方の中には開業資金をどのくらい準備すればいいかわからない人もいると思います。
この開業資金を誤って見積もると、起業後にとても苦労することになります。
想定外の出費や思い描いた通りの売上があがらないことで、あなたが思う以上に早く資金が枯渇することになるかもしれません。
そうなると打ち手が取れないばかりか生活資金も不足しがちになり、ビジネスから早々と撤退しなければならなくなります。
もしかすると、もう少しでビジネスが上向きになるかもしれないのに・・・です。
そうならないためには、事業に最低限必要な資金を準備するだけではなく、想定外のことが起こってもビジネスを続けていけるように2つの資金項目を準備するといいでしょう。
先輩起業家はどのくらいのお金を準備したか?
まずは先輩起業家たちの「起業に掛かった費用」と「使った自己資金」のデータを見てみましょう。
75.4%の起業家が「起業に掛かった費用」は500万円以下であると答えています。
そして、「起業に費やした自己資金」は500万円以下が86.0%であることから、掛かった費用を自己資金で賄っていることがわかります。
反対に「起業に掛かった費用」が500万円を超えてくると、すべてを自己資金で賄うのは難しくなってくるのがわかります。
(「起業に掛かった費用」24.7%<「起業に費やした自己資金」14.0%)
起業家の先輩たちの開業に掛かった費用を知ることは、あなたが準備しなければならない資金の目安にはなります。
しかし、本当にこれだけで起業はうまくいくのでしょうか?
そのためには、そもそも“起業に掛かる費用”とは何かを知らなければなりません。
具体的な開業資金とは?
上の表の「起業に掛かった費用」は、開業に“直接”掛かった費用なのだと思います。
たとえば、
- 会社設立費用(株式会社などを作る場合)
- 実店舗でビジネスを始めるなら賃借料などの費用
- 備品や設備などの購入費
- 看板などの広告宣伝費用
などです。
確かに、こういった開業のための費用を用意すれば形式的にはビジネスを立ち上げることはできます。
しかし、本当にそのビジネスを続けていくことができるでしょか?
イメージしてください。
あなたは飲食店で起業するとします。
店の準備も整い、もうお客様をお迎えするだけです。
果たして、あなたのイメージしたお店にお客様は来ていますか?
飲食店の場合、物珍しさやキャンペーンなどの宣伝活動によって、当初はお客様が来てくれます。
しかし、そのうちバッタリと客足が遠のきます。
こんな時、もし起業に直接必要な資金しか用意できていないとしたら・・・。
起業家は開業に直接必要な資金だけでなく、起業後を見据えたお金(いわば「裏の開業資金」)を準備しておく必要があります。
開業に直接必要な資金が準備できたからといって安心してすぐに起業してはいけません。
それでは、起業後を見据えたお金とは何なのでしょうか?
開業資金はこの2つは必ず準備せよ!!
一つは、起業後のあなたの生活資金です。
お客様が来ないとしても、生活をしていくためのお金は必要です。
たとえば、食費、家賃、水道光熱費、教育費などは、ビジネスがうまくいかないとしても払っていかなければなりません。
ですから、あなたは生活していくために必要な1カ月分のお金を見積もり、その6カ月から12カ月分の資金を準備しておきましょう。
この生活のためのお金はいわば「守りのお金」です。
経営者は起業すると、考えなければならないこと、しなければならないことが非常に多いのです。
生きていくためのお金についての悩みがあると、ビジネスに集中できなくなりますし心が折れやすくなります。
二つ目は広告宣伝のための資金です。
起業家の方で、広告宣伝のための費用をしっかり見積もっている人は非常に少ないように感じます。
起業しさえすれば、うまくいく「はず」という淡い期待があるからなのでしょう。
しかし、ビジネスには想定外のことがよく起こります。
ですから、あなたが立ち上げたビジネスはうまくいかないものだと考えたほうが精神衛生上いいでしょう。
そして、うまくいかない場合に広告宣伝をするための「攻めのお金」が必要になってきます。
このお金がないと、打開のための打ち手をとることができません。
幸いなことに、中小企業が広告宣伝するための費用はそれほど多くはかかかりません。
ですから、このような攻めの資金もしっかり準備しておきましょう。
参考記事 ➡ 起業しても集客にお金が使えない理由?
裏の開業資金を準備して起業すると、ビジネスが順調にいかない場合でも余裕をもって対処できます。
また、ビジネスが順調にいった場合、そのうらの開業資金を自己資本を充実させるための原資とすることができるため、潰れない財務の強い会社を作ることができます。
(潰れない強い会社を作るためには自己資本比率を高める必要があります。詳しくはコチラの記事をご覧ください。)
まとめ
開業のために用意するお金は起業家にとって関心のあることだと思います。
しかし、開業という一時点だけ考えてお金を準備すると、後々苦労することになります。
こうならないためには、
- 起業後の生活資金(守りのお金)
- 起業後の広告宣伝費(攻めのお金)
の2つの資金をしっかり準備することが必要です。
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