顧客、自社、競合の3つで、マーケティングの基本を理解する方法

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マーケティングを難しいと考えている中小企業経営者は多いのではないでしょうか?

マーケティングの大家であるコトラーという人が書いた有名な教科書は1000ページぐらいあります。

時間に追われる私たちがじっくり時間をかけて熟読できる代物ではありません。

とはいえ、マーケティングの基本的な考え方を知らないと「運任せ」の経営から脱却することは難しくなります。

反対に、あなたがマーケティングの基本を理解し、定石とおりの経営をすれば、「運任せ」の状況にある多くの競合企業に勝つことができるでしょう。

 

マーケティングとは、そもそも・・・

前回お話ししたように、マーケティングは“売れるようにする”仕事です。

そして、中小企業こそ、マーケティングについて知る必要があります。

参考 ➡ 中小企業にマーケティングは本当に必要か?

もちろん、あなたは売れる“商品(製品)”にするために、商品をより良くしようと努力していることでしょう。

しかし、今は「商品力」や「技術力」だけでは売るのが難しい時代になっています。

 

このところ「技術力(商品力)」のある会社の悪いニュースばかり聞きます。

そして、伝統ある会社が外国企業に買われていきます。

このようなニュースに接せると、企業の「技術力(商品力)」が落ちているからだという人もいます。

けれども、そもそも「技術力(商品力)」のない会社を買いたいという人が現れるでしょうか?

むしろ、「技術力(商品力)」という点では、まだまだ魅力があると言ってもいいと思います。

だとすれば、それらの会社の凋落の理由は他にあるはずです。

 

『(技術力があるのに)苦境に立たされるということは、マーケティング力に問題があるということです。問題を自覚することから反撃が始まる』(USJを劇的に変えた、たった1つの考え方・森岡毅)

 

私も同感です。

技術力のある会社の商品ですら苦境に立つのですから、普通のモノを売っている私たちはなおのことマーケティングの基本を身に付ける必要があるでしょう。

 

難しく考えずにシンプルにいきましょう!!

マーケティングの基本は、顧客・自社・競合の3者について、今まで以上に深く理解することです(3C分析)。

私たちがビジネスをするうえで、考えなければならないのはこの3者との関係性だけです。

私たちは、学者さんのように学問としてのマーケティングを深く理解する必要はありません。

実際、学問的なマーケティングの知識はそれほどでもないのに、優れた業績を上げている経営者の方は数多くいます。

だから、実践的なマーケティングは、経営者なら肌感覚で分かるものと言われるのでしょう。

しかし、直感に優れた打ち手をとれるような経営者でない限り、マーケティングの基本を理解した方が「売れない」で頭を悩ますことが少なくなるはずです。

顧客を深く理解しよう!

顧客のことは、分かっているつもりになっているだけで、案外分かっていないものかもしれません。

私たちのビジネスは顧客が買ってくれることで成り立ちますから、顧客の理解は最も重要です。

では、顧客の理解とは何でしょうか?

それは、

お客様はどのような価値を求めているのか?

あなたのお客様は誰なのか?

を明らかにすることです。

 

「お客様はどのような価値を求めているのか?」というのは、商品を使うことで得られるお客様のメリットを明らかにすることです。

関連記事 ➡ 売上を増やしたいなら、真の顧客ニーズを理解せよ!

 

そして次に、同じ価値を求めるお客様を具体的なイメージで絞っていきます。

これが「あなたのお客様は誰なのか?」ということです。

参考記事 ➡ ターゲティングの方法~売上を伸ばすお客様の選び方!

このようにお客様を具体的にイメージし、その人に向けて売っていくというのは、それ以外のお客様を捨てることですから、売上が下がると不安を感じるかもしれません。

しかし、“誰でも”商品は“誰にとっても”魅力がないものですから、そのような商品より売れなくなることはありません。

 

こういった顧客理解を深めるだけで、あなたの売っている商品は今以上に売れる可能性が出てくるでしょう。

自社は顧客に価値を提供できるのか?

ある商品について、お客様が求める価値が分かったとしても、あなたの売っている商品がその価値を提供できないなら意味がありません。

そためには、次のことをしっかり考える必要があります。

  • そもそも商品はベネフィットを提供できるのか?
  • そういった商品を作り出す経営資源(例えば、人材や資金など)があるのか?

つまり、あなたの会社が求められる価値を提供する“能力(強み)”があるかということが、自社を理解することの本質です。

 

たとえば、あなたがレストランを経営しているとしましょう。

あなたは家族だけで最高の料理を楽しむレストランという価値(ニーズ)を発見しました。

しかし、あなたのレストランが最高の食材を調達できなかったり、料理人の腕が悪かったり、また家族水入らずの時間を邪魔するような接客しかできないのであれば、価値を提供することはできません。

ニーズがあるというだけで飛びついて失敗するのは、この自社の理解が足りなりということに一因があるのかもしれません(できる“はず”は危ない)。

競合と同じことをしていてはダメ!

顧客や自社の理解でどうやらビジネスが上手くいきそうだと思っても、同じことをする競合がいるなら、価格競争になってしまいます。

ですから、競合が何で勝負をしているのかを理解することが必要になってきます。

つまり、競合を理解することの本質は差別化ということになります。

参考記事 ➡ 差別化の3つの誤解と違いを生み出す3つの切り口!

前述したレストランの例で言えば、あなたが家族だけで最高の料理を楽しむお店を経営していて、その価値を提供できるとしても、向かいに同じような店があるなら、戦略は失敗に終わる可能性が高いということです。

3つの理解で重要なこと

顧客、自社、競合の3つを理解するうえで重要なことは、この3つが「整合」していることです。

顧客、自社、競合の順に見てきましたが、この順序どおり考えて、一発で戦略が決まることはまずないでしょう。

整合性を考えて、この3つについて行きつ戻りつしながら、マーケティング戦略の完成度を高めましょう。

まとめ

マーケティングの基本的な考え方は、顧客、自社、競合の3つに分けて考えるとシンプルに理解できます。

マーケティングは、本来、奥が深く難しいものであると思いますが、だからと言って無視するのも良くないでしょう。

使う側の私たち中小企業経営者は、まずは“森”である全体構造を理解すれば、案外マーケティングは「使える」と実感できるでしょう。

細かい知識は後から全体構造に肉付けしていけばいい、まずは実践することが重要です。

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