女性起業家の数は男性起業家の半分程度です。
信頼し得るデータによると、収入のも男性起業家の方が多いそうです。
男性と女性の比率は半々ですし、男女間の能力に違いはありません。
では、なぜ女性起業家は男性起業家より少なく、また収入面で差があるのでしょうか?
女性起業家は数だけでなく、収入も少ない?!
フェイスブックなどのSNSやインターネットを見ると、女性起業家はとても多いように感じます。
しかし、女性起業家が目立つのはまだまだその数が少ないからでしょう。
実際の起業家(起業家志望者)の男女間の比率はこのようになります。
(出典)中小企業白書2012年版
次に起業後の手取り収入(月額)について見てみます。
(出典)中小企業白書2012年度版
女性は49.2%が月収20万円以下です(若者41.5%、シニア35.5%)。
これらのデータを示して、女性は起業しても稼げないと言うつもりはありませんし、またそのように思ってもいません。
データ上、女性起業家は少ないし、収入も少ないという現実があるだけです。
なぜ、女性は起業を目指さないのか?
そもそも、女性起業家が少ないのは、最初の表で見たとおり「起業希望者」が少ないからです。
では、なぜ女性は起業家を目指さないのでしょうか?
女性が挙げた理由で男性に比べて突出しているのは、「周りに起業家がいないので、現実感がない」というのがあります。
起業の準備に踏み切らない理由
(出典)中小企業白書2012年度版
しかしながら、周囲に起業家がいないのは、女性だけではありません。
また、周囲にいなくともメディア等を通じて、先輩起業家の価値ある情報はいくらでも入手できます。
とすると、このような表面的な理由のために女性が起業しないとは考えにくいわけです。
もっと、根本的な理由があるのでしょう。
実は、データがあります。
『経済協力開発機構(OECD)に属する23カ国の男女に、自分が所有するビジネスで働きたいか、それとも誰かのために働きたいかを質問したところ、女性は男性ほど自分の所有するビジネスで働きたいという傾向がなかった』(「<起業>という幻想」スコット・A・シェーン)
“起業したくないから起業に踏み切らない”というのは、当たり前すぎる話ですがこのデータは示唆に富みます。
つまり、女性が『他人のために働くことを好む傾向(つまり、雇用されることを好む:執筆者注)にあるならば、多くの女性にとって、起業する時というのは、働かなければならないが仕事が見つからない時ということになる。』(同著)
あなたには稼ぐ能力がある!!
それでは、女性起業家の収入があまりよくない理由について考えて見ます。
一般的によく言われるのは、女性は男性に比べてキャリアの上で“経営”に触れる機会が少ないというもの。
確かに、事実としてはそうだろうと思います。
しかし、経営に触れる機会がないのと、“経営能力”は直接的には関係ないでしょう。
そもそも、男性であっても“直接”経営に触れてから(経営者の経験がある)、起業する人は少ないはずです。
そして、大企業に勤めていたのであればあるほど、分業で仕事の幅は狭くなり、“経営”に触れる機会は少なくなります。
実際、データは女性の経営能力が男性と変わらないことを裏付けています。
『キャリア不足があるため、女性はスタートアップの段階では苦労するものの、やがて経験値を積んでいくうちに男性に遜色のない実力を発揮していく』(「女性起業家の実像と意義」日本政策金融公庫)
参考サイト ➡ 女性起業家の実像と意義
つまり、女性が経営能力というので戸惑うのは最初だけであり、その後は経験と生来の勉強熱心さによってそれを克服していきます。
また、女性は男性に比べて資金調達が難しいからということが言われます。
資金調達しないとビジネスの規模が大きくすることは難しいので必然的に収入は少なくなります。
確かに開業時に多額の資金を借りるようなら斯業経験はあったほうが有利でしょう。
しかし、多くの起業家はそれほど多くない開業資金(自己資金+借入金)で起業します。
自己資金について言えば、女性の方がその額が多く蓄えているのではないでしょうか?
また、起業家を資金面から強力にサポートする日本政策金融公庫や自治体融資などがあります。
つまり、資金面で性差による資金調達に差はありません(女性“だけ”が利用できる融資もあります。例えば、日本政策金融公庫の起業家向け融資はコチラの記事を参照してください)。
結局、女性の収入が少ないのは「起業したくないから起業に踏み切らない」のと同じように「お金を稼ごうと思わないから儲けない」のではないかと思います。
起業をお考えのあなたへ!!
他人のビジネスはあなたを心底満足させることは難しいのではないでしょうか?
仕事の成果(失敗も成功も)について一切の責任を負うような仕事を望んでいるなら、自己決定権を行使できる起業は適しているでしょう(自己決定権は「幸福」につながるという意見もあります)。
そして、ビジネスの世界に飛び込むのなら、「十分満足する水準のお金」を得ることに罪悪感を持たないで追求して欲しいと思います。
「十分満足する」とは「“あなた”が十分満足する」ということであり、分をわきまえたレベルなのだから、いたずらに罪悪感を持つ必要はまったくありません。
なお、「自分らしさ」を求めての起業するのであっても、やはり“お金”は必要です。
私たちは霞を食って生きるようなわけにはいかないのですから・・・。
そもそも、「自分らしさ」というのは目標になりません(「自分らしさ」は女性起業家がお金を稼ごうと思わない理由の一つではないかと思っています)。
これは客観的に測れないので、現実と違う時には「自分らしさ」のレベルを下げることによって、目標を達成したと満足しやすいのです(その結果、“十分満足する水準”のお金が稼げない)。
だから、公言する必要はありませんが、「十分満足水準のお金」をあなたの中でしっかり意識する必要はあります。
起業する上ではそのほうが有利に働くことが多いからです。
参考 ➡ お金儲け目的の起業はダメですか?
まとめ
起業しても思ったほどの収入が得られないのは、当然のことながらあなたが女性だからではありません。
データー上も経営能力に男女の差がないことを示しています。
原因はあなたの“意思”にあります。
つまり、あなたが「稼ごうと思わない」からです。
あるいは「稼ごうと思っていても」それを極力抑えようとするからです。
だから、「十分満足水準のお金」に罪悪感を持たずに、堂々と稼いでいただきたいと思います。
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