利息支払能力を高めて資金繰り不安を解消!インタレストカバレッジレシオの改善法

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銀行から借入をしていると、この先利息を支払っていけるのか不安を感じるものです。

中小企業の場合、ちょっとした業績の低迷を原因とした資金繰りの悪化で、金利の支払いがとても苦しく感じるものだからです。

 

あなたは、銀行と金利の減免等の交渉をしなければならない最悪の状態になる前に何とかしたいと思うはずです。

もちろん、銀行借入に関するこういった不安は、これから融資を受けようと思っている人にも大きな関心事でしょう。

 

実は、インタレスト・カバレッジ・レシオという財務指標を使えば、あなたの会社の利息支払いに無理がないかがわかるのです。

この記事を読むと、インタレスト・カバレッジ・レシオについて次のことがわかります。

  1. 計算方法
  2. 意味
  3. 目安
  4. 改善法

その結果、あなたの会社の金利支払が苦しくなる前に、事前に察知し効果的な対策をいち早くとることができるでしょう。

 

1.インタレスト・カバレッジ・レシオとは?

1.1 計算方法は?

インタレスト・カバレッジ・レシオは次のように計算します。

equation-interest-coverage-ratio

 

 

 

この財務指標は借入金利息の支払能力(利息を負担できる現金が現実にあるか)を見る指標なので、分母は償却前営業利益(簡便的なキャッシュ・フローになる)を使います。

なお、営業利益を使う方法もありますが、償却資産をそれほど保有していないなどの理由で減価償却費が少ないなら、営業利益を使用しても構いません。

1.2 インタレスト・カバレッジ・レシオの意味

営業利益は本業で稼いだ利益です(損益計算書の見方はコチラをご覧下さい)。

営業利益はキャッシュフローベースではないので、現金の支出を伴わない減価償却費を加算することで、本業で稼ぎ出した“キャッシュ”となります(簡便的に計算したキャッシュフローですが)。

 

そして、この“本業で稼いだ現金”と預金利息(受取利息)が借入金利息を支払う原資になります。

当然、この原資は大きければ大きいほど利息支払いの余力があるというわけです。

だから「償却前営業利益+受取利息」を支払利息で割って、原資が支払利息の何倍くらいの大きさかを計算します。

1.3 インタレスト・カバレッジ・レシオの目安は?

インタレスト・カバレッジ・レシオが利息支払能力を表す以上、1倍より少ないというのはとても危険です。

 

ですから、インタレスト・カバレッジ・レシオは3~4倍はあったほうがいいでしょう。

財務力を高めることを望むなら、少なくとも10倍以上を目安にするといいでしょう。

 

なお、中小企業全業種平均のインタレスト・カバレッジ・レシオは、平成27年度の中小企業実態基本調査に基づき計算すると、4.3倍です。

(ただし、インタレスト・カバレッジ・レシオがないため、「売上高営業利益率」を「売上高対支払利息割引料」で割って計算しています。したがって、分母はキャッシュベースではありませんし、分子には手形の割引料が含まれています。そのため、実際のインタレスト・カバレッジ・レシオは計算した額より大きくなりますが、近似値としては問題ないでしょう)

 

10倍以上は厳しすぎると思う方もいるかもしれません。

確かに、支払利息を払うための原資はそんなに必要ないようにも思えます。

中小企業の平均値である3倍か4倍あれば十分ではないかと・・・。

 

しかし、原資である「償却前営業利益」は、支払利息だけでなく元本を支払っていくための原資でもあります。

ですから、元本も考慮すると10倍でも少ないくらいです(20倍が理想水準と言われます)。

 

このことは、1年間に支払った借入金元本と利息の支払い額合計を償却前利益と比較して見ると分かります。

あなたの会社のインタレスト・カバレッジ・レシオが仮に安全水準の3倍であっても、「元本+支払利息>償却前利益」の状態にあるかもしれません。

そうであるなら、本業で借入金返済のためのキャッシュを稼ぎ出していない、つまり、足りない返済資金を他から調達しなければなりません。

 

また、“営業利益”自体が経営環境によって大きくブレやすいということも10倍以上を目指すべき理由の一つです。

営業利益は、「売上高」から「売上原価」と「販売費及び一般管理費(以下、販管費)」を控除して算定します。

あなたも売上が減れば、費用削減などの手段を講じない限り当然利益も減ることについては分かっていると思います。

損益計算書をただ眺めているだけだと、この利益の減少率が売上の減少率と同じくらいだと勘違いします。

つまり、「売上が10%減ったから利益も10%ぐらいかな、それなら支払利息の原資はまだ十分あるぞ」と思ってしまうのです。

 

実は営業利益は恐ろしいほど減る可能性があるのです。

なぜなら、「販管費」にある項目は、売上の増減しても支払わなければならない固定費が多いからです。

売上が30%減ったからといって、給料を30%減らすことは出来ませんし、家賃を30%減らしてくれと交渉しても受け入れてはくれないでしょう。

つまり、人件費などの固定費の影響で売上の減少率以上に営業利益は減ります。

 

だから、インタレスト・カバレッジ・レシオは売上が減っても余裕が持てる水準である10倍以上を目標とすべきなのです(私が貸し手なら理想水準の20倍は欲しいところです)。

1.4 銀行から見たこの指標の重要性

インタレスト・カバレッジ・レシオは、お金の融通先である銀行にとっても、重要な基準です。

 

銀行は貸したお金に対して利息を取ることで商売しているからです。

利息は貸したお金(元本)に対する“料金”であり、銀行にとって収益の柱です。

もし、会社が貸したお金の利息を払えないとしたら・・・。

だから、銀行は「インタレスト・カバレッジ・レシオ」という財務指標を使うことにより、融資の可否を判断します。

 

なお、利息が取れても元本が回収できなければ銀行は大損ですので、本業で稼ぐキャッシュで借入金の返済は何年かかるのかということも大変気にします(これを見る比率を「債務償還年数」と言います)。

 

インタレスト・カバレッジ・レシオと債務償還年数の適正水準をクリアしているような会社は、銀行から見れば、自行の利益を損なわない優秀な会社であるということです。

もちろん、銀行からの評価だけでなく、一般的にそのように財務力のある足腰のしっかりした会社と評価されることになるでしょう。

2.インタレスト・カバレッジ・レシオの改善法

2.1 計算式から見た改善法は2つ

式の上からの改善方法は2つです。

improvement-interest-coverage-ratio

 

 

 

  • 分子の「償却前営業利益+受取利息」を上げる
  • 分母の「支払利息」を下げる

分子の償却前営業利益を除外して考えると(2-2で後述)、受取利息を増加させる手段は預金をたくさんすることです。

預金をたくさんするためには、本業でキャッシュを稼ぐことが基本です。

 

一方、分子の支払利息を引き下げるには、借入金を返済して利息を減らすか、利息を銀行に安くしてもらうしかありません。

 

ちなみに、借入金の返済にあなたが窮しても、銀行は収益源である金利の引き下げには応じないと考えたほうがいいでしょう(通常は元本の支払だけを待ってくれる)。

2.2 結局、本業で稼ぐ・・・しかない

インタレスト・カバレッジ・レシオを引き上げるには、結局本業で稼ぐ、つまり営業利益を引き上げるしかないということになります。

 

営業利益を上げる方法は次の2つだけです。

  • 売上のアップ、
  • 費用(売上原価、販売管理費)の削減

 

費用の削減についてはバブル崩壊後に、乾いた布を絞るように中小企業は頑張ってきました。

ほとんど削減余地のないぐらい努力してきたことでしょう。

ですから、売上はお客様次第であり、費用の削減のようにコントロールできないものだと、売上アップから目を反らないで欲しいと思います(売上のコントロールのお話はコチラです)。

 

売上をコントロールするためには、マーケティングが不可欠です。

最近では、元USJの森岡毅氏のようにマーケティングの必要性やその考え方をやさしく解説するマーケターが増えています。

参考➡ USJを劇的に変えた、たった1つの考え方

マーケティングが必要ないと思っている人は、こういった書籍などでマーケティングの必要性を理解するといいでしょう。

 

販売力の強化は新時代の融資である「事業性評価」でとても重要です(事業性評価の解説はコチラで解説しています)。

販売力を強化すると本業でのキャッシュ獲得能力が高まるので、銀行から事業性評価でも必ず良い評価を受けます。

まとめ

今回は、銀行の収益源である利息の支払能力があなたにあるかを見る指標、インタレスト・カバレッジ・レシオを紹介しました。

前回紹介した債務償還年数と合わせ技で銀行はあなたの返済能力を評価します。

現金を“稼ぐ力”がなければ、返済できなくなる可能性があるわけで、銀行にとってはとても重要な指標です。

もちろん、融資だけでなく、あなたの会社の「財務力」を図る指標として活用するのにも優れた指標です。

インタレスト・カバレッジ・レシオを経営指標として活用することで、あなたの会社は、必要な時にベストタイミングで資金を借りることができるようになります。

また、財務力がとても強い会社であると評価されるでしょう。

関連記事:その他6つの財務指標を改善すれば、銀行が思わず融資したくなる財務の強い会社になります。その他6つの財務指標については以下の記事をご覧ください。

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